田辺盛武

田辺盛武（たなべ もりたけ）は、1889年（明治22年）2月26日に生まれ、1949年（昭和24年）7月11日に刑死した、日本の陸軍軍人です。最終階級は陸軍中将でした。

生い立ちと初期の軍歴

田辺盛武は、旧加賀藩士で陸軍中佐であった田辺盛親の長男として誕生しました。彼は、松山中学校、広島陸軍地方幼年学校、中央幼年学校を経て、1910年（明治43年）5月に陸軍士官学校（22期）を卒業しました。同年12月には歩兵少尉に任官し、歩兵第49連隊に配属されました。その後、1918年（大正7年）11月には陸軍大学校（30期）を卒業しています。

軍歴の中期

陸軍大学校卒業後、田辺盛武は参謀本部付勤務、参謀本部員、第16師団参謀、陸軍大学校教官、フランス出張などを歴任しました。その後、歩兵第61連隊大隊長、参謀本部員、陸軍省整備局課員、陸軍歩兵学校教官、整備局動員課長などを経て、1937年（昭和12年）8月には陸軍少将に進級し、陸軍士官学校の幹事となります。

太平洋戦争と戦後

1937年（昭和12年）10月、田辺盛武は第10軍参謀長に就任し、千葉陸軍戦車学校長を経て、1939年（昭和14年）10月に陸軍中将に進級しました。その後、第41師団長、北支那方面軍参謀長を歴任し、太平洋戦争開戦時には参謀次長という要職にありました。しかし、ガダルカナル島の戦いの敗戦を受けて、第25軍司令官へ転出し、スマトラ島で終戦を迎えることになります。

戦犯としての逮捕と処刑

終戦後、田辺盛武は1946年（昭和21年）10月にBC級戦犯としてオランダ軍に逮捕され、1948年（昭和23年）1月31日に公職追放仮指定を受けました。同年12月には死刑判決が下され、翌1949年（昭和24年）7月にメダンで刑死しました。

栄典

田辺盛武は、その軍功により以下の位階と勲章を受けています。

位階
1911年（明治44年）3月10日 - 正八位
1914年（大正3年）2月10日 - 従七位
1919年（大正8年）3月20日 - 正七位
1924年（大正13年）5月15日 - 従六位
1937年（昭和12年）9月1日 - 正五位
勲章
1939年（昭和14年）11月13日 - 勲二等瑞宝章
1940年（昭和15年）8月15日 - 紀元二千六百年祝典記念章
1942年（昭和17年）3月9日 - 勲一等旭日大綬章

親族

田辺盛武の親族には、以下のような人物がいます。

長男：田辺信（陸軍大尉、戦死）
義父：千田登文（陸軍少佐）
* 義兄：中村孝太郎（陸軍大将）、今村均（陸軍大将）

田辺盛武は、激動の時代を軍人として生き、その生涯を戦争という歴史の大きな流れの中で終えました。彼の軍歴と最期は、日本の近現代史における重要な一側面を物語っています。

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