第44戦闘団

第44戦闘団（JV44）

概要

1945年の1月、ドイツ空軍は新たな防空戦闘団「第44戦闘団」（略称JV44）を設立しました。この部隊は、著名なエースパイロットであるアドルフ・ガーランド中将が指揮を取り、ドイツ全土から精鋭を招聘することで構成されました。特にこの戦闘団は、初めて実用化されたジェット戦闘機であるMe 262シュヴァルベを主に使用し、その運用に特化したものでした。

設立の背景には、当時のドイツ空軍総司令官ヘルマン・ゲーリングとの軋轢がありました。ガーランドはゲーリングに対して抵抗し、自身の地位を守るために戦闘機隊総監の職を追われました。その後、彼を支持する飛行団長たちの働きかけで、ゲーリングから新たにJV44の指揮官として任命され、部隊の編成を進める権限が与えられました。これにより、彼は空軍の優れたパイロットを指導者として集結させることができました。

この部隊は騎士鉄十字章受章者が多かったことから、しばしば「騎士鉄十字章戦闘機隊」とも呼ばれました。部隊名の44には、数多くの意味が隠されており、一説にはスペイン内戦での義勇軍コンドル軍団からインスパイアを受けたとも言われています。特に、数字の「4」がドイツ語で「フィーア」と発音され、それが意味するところが特に興味深いとされています。これは、戦闘団の規模や編成数に対する皮肉もあるとのことです。

組織構成

JV44は自らの防衛飛行中隊を抱えており、その任務は主に連合国軍の地上攻撃機からジェット機の離着陸を守る「離着陸援護」にありました。この任務は、戦闘機の脆弱性をカバーするために設立されたもので、特に重要な役割を果たしました。

ガーランドは、エーリヒ・ハルトマンにも声をかけましたが、ハルトマンは自らの部隊を離れることをためらい、最終的にJV44への参加を拒否しました。彼は後に部隊へ戻りますが、その間にJV44は活躍を続けます。

戦歴

1945年4月より、JV44は約30機のMe 262を擁して迎撃任務を開始しました。彼らは南ドイツのバイエルン州で空戦を展開し、特にベルリン空襲において多くの敵機を撃墜しました。ガーランド自身も出撃し、部隊の一員として空戦に参加しました。彼の自伝によれば、最初の出撃は1945年3月18日であり、これは連合国の爆撃機に対する迎撃戦でした。

4月21日、著名なパイロットであるゲルハルト・バルクホルンは、最後の出撃を行うも、エンジンの故障により墜落。彼は負傷し、病院で静養することになりました。その後の4月24日、他のパイロットたちも出撃し、最後の迎撃戦を行いましたが、部隊の多くが行方不明となりました。

ガーランドは4月26日の戦闘で敵軍の爆撃機を撃墜し、再度の負傷を負って帰還しました。最終的には、JV44は5月2日、ザルツブルクとインスブルックの基地で終戦を迎え、残っていたMe 262を焼却して解体しました。

主な所属パイロット

• - アドルフ・ガーランド
• - ヨハネス・シュタインホフ
• - ゲルハルト・バルクホルン
• - ヴァルター・クルピンスキー
• - ハインツ・ベーア
• - ハインツ・ザクセンベルク
• - ギュンター・リュッツオウ

関連項目

• - 第三四三海軍航空隊 - 日本海軍の航空部隊で、同様に優秀な搭乗員を集めた部隊です。

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