第47回ゴールデングローブ賞

第47回ゴールデングローブ賞は、1989年に公開・放送された映画およびテレビ番組の中から、特に顕著な功績を収めた作品や関係者を表彰するために開催されました。その栄えある受賞結果は、1990年1月20日に発表されています。ハリウッド外国人映画記者協会が選定するこの賞は、その年の主要な映画賞レースの前哨戦としても注目を集めました。

映画部門の主な結果

映画部門では、ドラマ部門とミュージカル・コメディ部門に分けて作品賞が授与されました。

ドラマ部門の作品賞には、オリバー・ストーン監督の反戦映画『7月4日に生まれて』が輝きました。この部門には、『ウディ・アレンの重罪と軽罪』、『いまを生きる』、『ドゥ・ザ・ライト・シング』、『グローリー』といった錚々たる作品がノミネートされていました。

一方、ミュージカル・コメディ部門の作品賞は、感動的な人間ドラマ『ドライビング Miss デイジー』が受賞しました。同部門には、『リトル・マーメイド』、『旅する女/シャーリー・バレンタイン』、『ローズ家の戦争』、『恋人たちの予感』が候補に挙がっていました。

監督賞は、『7月4日に生まれて』を監督したオリバー・ストーンが受賞。スパイク・リー（『ドゥ・ザ・ライト・シング』）、ロブ・ライナー（『恋人たちの予感』）、ピーター・ウィアー（『いまを生きる』）らもノミネートされていました。

主演男優賞のドラマ部門では、『7月4日に生まれて』での熱演が評価されたトム・クルーズが受賞。ダニエル・デイ＝ルイス（『マイ・レフトフット』）などが競合しました。ミュージカル・コメディ部門の主演男優賞は、『ドライビング Miss デイジー』のモーガン・フリーマンが獲得。ビリー・クリスタル（『恋人たちの予感』）らもノミネートされていました。

主演女優賞のドラマ部門では、『恋のゆくえ/ファビュラス・ベイカー・ボーイズ|恋のゆくえ_ファビュラス・ベイカー・ボーイズ』のミシェル・ファイファーが栄誉に輝きました。サリー・フィールド（『マグノリアの花たち』）らが候補でした。ミュージカル・コメディ部門の主演女優賞は、『ドライビング Miss デイジー』のジェシカ・タンディが受賞。『恋人たちの予感』のメグ・ライアンなどがノミネートされました。

助演男優賞は、『グローリー』のデンゼル・ワシントンに、助演女優賞は『マグノリアの花たち』のジュリア・ロバーツにそれぞれ贈られています。ジュリア・ロバーツは後にハリウッドを代表する女優となりますが、この受賞がそのキャリア初期における大きな一歩となりました。

脚本賞は、『7月4日に生まれて』を執筆したオリバー・ストーンとロン・コヴィックが受賞。『いまを生きる』や『恋人たちの予感』なども候補でした。

外国語映画賞には、イタリアの『ニュー・シネマ・パラダイス』が選ばれ、世界的な評価を一層高めました。フランスの『カミーユ・クローデル』などもノミネートされました。

音楽関連では、作曲賞を『リトル・マーメイド』のアラン・メンケンが受賞。歌曲賞も同作から「Under the Sea」が選ばれ、アラン・メンケンとハワード・アシュマンが受賞しました。この作品はアニメーション映画ながら主要な音楽賞を獲得し、その音楽性の高さが評価されました。

テレビ部門の主な結果

テレビ部門でも、ドラマ、ミュージカル・コメディ、ミニシリーズ・テレビ映画の各部門で作品賞や俳優賞が発表されました。

ドラマシリーズ作品賞は『チャイナ・ビーチ』が、ミュージカル・コメディシリーズ作品賞は『TVキャスターマーフィー・ブラウン』がそれぞれ受賞しました。ミニシリーズ・テレビ映画作品賞には『ロンサム・ダブ』が選ばれています。

ドラマシリーズ主演男優賞は『Wiseguy』のケン・ウォールが、ミュージカル・コメディシリーズ主演男優賞は『チアーズ』のテッド・ダンソンが受賞しました。ミニシリーズ・テレビ映画部門の主演男優賞は、『ロンサム・ダブ』のロバート・デュヴァルが獲得しました。

主演女優賞では、ドラマシリーズ部門で『ジェシカおばさんの事件簿』のアンジェラ・ランズベリーが、ミュージカル・コメディシリーズ部門で『Anything But Love』のジェイミー・リー・カーティスが受賞しました。ミニシリーズ・テレビ映画部門の主演女優賞は、『ロストホーム』のクリスティーン・ラーティが選ばれています。

助演男優賞は『タイムマシーンにお願い』のディーン・ストックウェルに、助演女優賞は『沈黙の裁き』のエイミー・マディガンにそれぞれ贈られました。

第47回ゴールデングローブ賞は、その年の映画界・テレビ界における主要な作品と才能に光を当て、その後のアカデミー賞などの行方を占う上でも重要な指標となりました。

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