第48回ロサンゼルス映画批評家協会賞

2022年12月11日、第48回ロサンゼルス映画批評家協会賞の受賞結果が発表されました。本年度は、従来の主演男優賞、主演女優賞、助演男優賞、助演女優賞といった名称を改め、主演俳優賞と助演俳優賞というジェンダーに配慮した名称に変更されました。さらに、各賞で受賞者と次点者を2名ずつ選出するという新しい試みも取り入れられました。

最も注目を集めたのは作品賞です。2022年の映画界を代表する2作品、『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』と『TAR/ター|TAR_ター』が同時受賞という栄誉に輝きました。ロサンゼルス映画批評家協会賞において、2作品が作品賞を同時受賞するのは4回目となります。両作品は、他に類を見ない独創性と高い芸術性で高い評価を受け、映画史に名を刻む作品として記憶されることでしょう。

監督賞は、緻密な演出と俳優陣の演技を引き出した『TAR/ター|TAR_ター』のトッド・フィールドが受賞しました。次点は、『RRR』で圧倒的なスケールとアクションシーンを魅せたS・S・ラージャマウリが選ばれました。

主演俳優賞は、『TAR/ター|TAR_ター』で主人公の複雑な内面を繊細に演じきったケイト・ブランシェットと、『生きる LIVING』で老いを迎えた主人公を演じ、深い感銘を与えたビル・ナイが受賞。次点は、『ティル』で魂を揺さぶる演技を見せたダニエル・デッドワイラーと、『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』で圧倒的な存在感を放ったミシェル・ヨーが選ばれました。

助演俳優賞は、『逆転のトライアングル』で強烈な印象を残したドリー・デ・レオンと、『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』でコミカルな演技と深い感情表現を見せたキー・ホイ・クアンが受賞。次点は、『ウーマン・トーキング 私たちの選択』で力強い演技を見せたジェシー・バックリーと、『その道の向こうに』で繊細な演技で観客を魅了したブライアン・タイリー・ヘンリーでした。

脚本賞は、巧みな構成と深いテーマで高く評価された『TAR/ター|TAR_ター』のトッド・フィールドが受賞しました。次点は『イニシェリン島の精霊』のマーティン・マクドナーでした。

撮影賞は、『EO イーオー』の美しい映像表現が高く評価され、マイケル・ディメックが受賞。次点は『NOPE/ノープ|NOPE_ノープ』のホイテ・ヴァン・ホイテマでした。編集賞は『aftersun/アフターサン』のブレア・マックレンドンが受賞し、『TAR/ター|TAR_ター』のモニカ・ウィリーが次点でした。音楽賞は『RRR』のM・M・キーラヴァーニが受賞しました。次点は『EO イーオー』のパヴェウ・ムィキェティンでした。美術賞は『アバター:ウェイ・オブ・ウォーター』のディラン・コールとベン・プロクターが受賞しました。次点は『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』のジェイソン・キスヴァルデイでした。

外国語映画賞は『EO イーオー』が受賞し、『サントメール ある被告』が次点でした。ドキュメンタリー/ノンフィクション映画賞は『All the Beauty and the Bloodshed』が受賞し、『ファイアー・オブ・ラブ 火山に人生を捧げた夫婦』が次点でした。アニメ映画賞は『ギレルモ・デル・トロのピノッキオ』が受賞し、『マルセル 靴をはいた小さな貝』が次点でした。新人賞は『ソウルに帰る』のデイヴィー・チョウとパク・ジミンが受賞しました。功労賞はクレール・ドニが、ダグラス・エドワード実験/自主映画賞は『De Humani Corporis Fabrica』が受賞しました。さらに、グウェン・デグリーズがアメリカン・シネマテークへの貢献を称えられ、特別表彰を受けました。

今回のロサンゼルス映画批評家協会賞は、革新的な試みと、多様な才能を称えた結果となりました。受賞した作品、監督、俳優たちは、2022年の映画界を彩る重要な存在と言えるでしょう。

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