第5航空軍 (日本軍)

第5航空軍について

第5航空軍（だいごこうくうぐん）は、大日本帝国陸軍が運用する航空軍の一つで、通称「隼」、軍隊符号は5FAで知られています。

沿革

1944年の初頭、軍令陸甲第八号に基づいて、既存の第3飛行師団司令部が第5航空軍司令部へと改編されました。そして、派遣軍戦闘序列への編入が行われ、戦局における新たな戦略の形成が始まりました。第5航空軍は主に一号作戦に関連する訓練と準備を行いながらも、西南中国におけるアメリカ空軍に対する積極的な攻撃も怠らず、特に九九双軽機による夜間の奇襲攻撃を実施しました。

作戦の重要な目的は、華中および華南における敵空軍の壊滅であり、これにより第十一軍の地上作戦を直接支援し、同時に京漢作戦の支援と揚子江の補給線の確保を目指しました。それに加えて、敵の本土に対する空襲にも備える必要がありました。

1944年3月には、揚子江上の船団護衛や重要地点の防空を主な任務としながら、重慶側空軍の前進基地への攻撃を行っていました。4月には地上作戦の開始に伴い、第5航空軍は航空作戦で地上作戦を支援する役割を果たしました。

6月にはト号作戦が開始され、主力の一部が南支那の広東地域に転進。北支那方面では武漢から西安、漢中、安康など敵基地を攻撃し、協力を行いました。また、10月27日には昭和天皇から戦果に対する御嘉賞の言葉を賜る栄誉に浴しました。

1945年4月には天号作戦にも参加しており、4月22日には参謀総長の梅津美治郎が作戦の進捗状況を報告。再び天皇から戦果に対して御嘉賞が与えられました。5月には航空総軍の戦闘序列に編入され、6月上旬には朝鮮へと転用され決号作戦に備えました。

しかし、1945年8月にはソ連が対日参戦を果たすと、北朝鮮への侵攻に対して防御体制を整えましたが、終戦を迎え戦闘行動は停止されました。

要職

第5航空軍の指揮には多くの優秀な軍人が当たりました。司令官には下山琢磨中将が1944年2月より、参謀長には橋本秀信少将が同時期から期間を通じてその職務を全うしました。また、戦局の推移によって中西良介少将が参謀長を務め、他にも多くの高級参謀が様々な部門で指導力を発揮しました。

軍においては、飛行団や各種部隊が編成され、飛行機や通信・補給に至る多岐にわたる機能が充実していました。具体的な飛行団は第1飛行団や第2飛行団、第8飛行団などが存在し、それぞれ異なる戦隊を編成していました。その編成には教育や修理、通信といった役割を持つ独立部隊も含まれており、軍の活動を円滑にするための重要な役割を担っていました。

参考文献

戦後の研究や回顧において、多くの図書や資料が利用されています。特に、秦郁彦編の『日本陸海軍総合事典』や防衛研修所戦史室による著作は、戦史を深く知るための貴重な資料となります。また、木俣滋郎の『陸軍航空隊全史』も航空軍の運用を理解する手助けとなるでしょう。

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