第50回世界卓球選手権個人戦

第50回世界卓球選手権個人戦

2009年4月28日から5月5日まで、日本の横浜市にある横浜アリーナで第50回世界卓球選手権個人戦が開催されました。この大会は、特に中国選手の圧倒的な強さが目立ち、国際卓球界への影響が大きいものでした。特に、前年の北京オリンピックで全種目を制覇した中国は、国際卓球連盟と協議の上、他国にも十分な機会を与える方針を取りました。その結果、オリンピックのチャンピオンがダブルスに参加せず、混合ダブルスには2軍の選手を起用するという配慮がされました。それにもかかわらず、中国選手たちは3大会連続で全種目を制覇し、混合ダブルスでは4強を独占するといった結果を残しました。

大会の開催は、2006年4月のITTF理事会での決定に基づいており、横浜市がオーストリアのリンツを破って開催地に選ばれました。横浜市は2008年の五輪や世界水泳の招致に失敗していたため、この大会の開催が挽回のチャンスとなったことでしょう。

大会日程と式典

大会の初日には開会式が行われ、横浜市立大豆戸小学校の生徒約80人が出場する146の国と地域のプラカードを持って行進しました。また、国際卓球連盟の総会も4月1日に開催され、アダム・シャララ会長や木村興治副会長の再任が決まるとともに、次回の第51回世界卓球選手権団体戦の開催地がドイツのドルトムントに決定しました。この大会では、新型インフルエンザ対策も強化され、選手や役員の入場口に体温を測定するサーモグラフィーが設置されるなど、万全の体制が整えられました。

結果と主要な成績

男子のトップ選手ティモ・ボルが腰痛のために大会を欠場したものの、男女ともに第4シードまでの位置が中国選手で占められました。男子シングルスでは、世界ランク1位の王皓が3連覇を目指していた世界ランク5位の王励勤を破り、見事に初優勝を果たしました。女子シングルスでは、世界ランク1位の張怡寧が前回のチャンピオンである郭躍を下し、優勝の栄冠を手にしました。男子ダブルスでも、中国の王皓と陳玘ペアが優勝し、女子ダブルスでは郭躍・李暁霞組が連覇を達成しました。結果として、中国はこの大会で全5種目のタイトルを獲得しました。

また、個人成績では、中国の王皓がベストプレーヤー賞を獲得し、日本の水谷隼がフェアプレー賞を受賞しました。

日本人選手の活動と成果

日本からは多くの選手が参加しました。男子シングルスでは水谷隼、韓陽、吉田海偉、松平健太ら7名が出場し、特に吉田海偉が準々決勝に進出したことが際立っています。女子シングルスでは福原愛や石川佳純らが参加しましたが、石川は福岡春菜を破り、準々決勝に進出するなどの活躍を見せました。特に、女性選手の中で全員が1回戦を突破したのは40年ぶりの快挙です。

男子ダブルスでは水谷隼・岸川聖也組が12年ぶりのメダルを獲得し、女子ダブルスでは福原愛・平野早矢香組がベスト8となるなど、日本選手の健闘が目立ちました。

こうして、2009年の世界卓球選手権個人戦は、中国の圧倒的な強さと日本選手たちの粘りが印象的な大会となりました。卓球ファンにとっては記憶に残る大会であり、次の大会への期待を高める内容となりました。

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