第54回世界卓球選手権団体戦

第54回世界卓球選手権団体戦（2018年 ハルムスタッド）

2018年4月29日から5月6日まで、スウェーデンのハルムスタッド・アリーナで開催された第54回世界卓球選手権団体戦は、数々のドラマと熱戦が繰り広げられました。この大会は、2013年の国際卓球連盟総会でハルムスタッドでの開催が決定しました。

大会の概要

今大会では、中国が男子（9大会連続21回目）と女子（4大会連続21回目）の両方で優勝を飾るという圧倒的な強さを見せつけました。また、地元スウェーデンは男子が17年ぶりにメダルを獲得し、会場を大いに沸かせました。

南北合同チーム「コリア」の結成

今大会で最も注目を集めたのは、韓国と北朝鮮による女子合同チーム「コリア」の結成です。大会当初は別々のチームとして出場していた両国でしたが、準々決勝での対戦が決まったことを受け、南北首脳会談での「板門店宣言」を機に合同チーム結成を模索。国際卓球連盟に打診した結果、異例の合同チーム結成が実現しました。卓球での南北合同チーム結成は、1991年の千葉大会以来のことでした。

準々決勝を戦わずして準決勝に進出した「コリア」でしたが、準決勝で日本に惜しくも敗れました。なお、合同チームが結成されたのは女子のみで、男子はそれぞれのチームで大会に臨みました。

出場資格

1部には、2016年クアラルンプール大会の1部上位14チームと2部上位2チームに加え、ITTFチーム世界ランキング上位8チームが出場しました。

競技結果

男子

中国が圧倒的な強さで優勝。決勝ではドイツを下しました。

女子

中国が女子も制し、アベック優勝を果たしました。決勝では日本と対戦し、激戦を制しました。

日本代表の活躍

日本代表は、男子は丹羽孝希、水谷隼、張本智和、松平健太、大島祐哉の5名、女子は石川佳純、平野美宇、伊藤美誠、早田ひな、長﨑美柚の5名で構成されました。

男子は準々決勝で韓国に敗れ、6大会連続のメダル獲得はなりませんでした。一方、女子は決勝まで全勝で勝ち進み、準決勝では合同チーム「コリア」を破りました。決勝では中国に1-3で敗れましたが、3大会連続の銀メダルを獲得しました。決勝では伊藤美誠が中国の劉詩雯に勝利する殊勲を見せました。

日本での放送

テレビ東京系列で放送され、福澤朗と秋元玲奈がキャスターを務めました。ParaviやJ SPORTSでも配信・中継が行われました。決勝の日本対中国戦は平均17.4%の高視聴率を記録し、テレビ東京の世界卓球選手権中継史上最高となりました。

BSジャパン（現BSテレビ東京）にとっては、BSジャパン名義での最後の世界卓球中継となりました。

大会の意義

第54回世界卓球選手権団体戦は、中国の圧倒的な強さ、南北合同チーム結成という歴史的瞬間、そして日本代表の奮闘など、多くの話題に彩られた大会となりました。この大会は、卓球の魅力を世界に発信するとともに、スポーツを通じた国際交流の重要性を改めて認識させる機会となりました。

世界卓球選手権は、オリンピック、ワールドカップと並ぶ卓球の三大大会の一つであり、世界中の卓球ファンが注目する大会です。今後の大会にも期待が高まります。

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