第62回カンヌ国際映画祭

第62回カンヌ国際映画祭

第62回カンヌ国際映画祭は、2009年の5月13日から24日までの間、フランスで行われました。この映画祭において、特に注目されたのは、審査員長を務めたフランスの著名な女優イザベル・ユペールです。カンヌ映画祭のオープニングで上映されたのは、ピート・ドクターとボブ・ピーターソンが共同監督したアニメーション映画『カールじいさんの空飛ぶ家』であり、これはアニメーション映画としても、3D映画としても初となるオープニング作品でした。

コンペティション部門では、全20作品が上映され、その多くは著名なベテラン監督によるものでした。また、開催中には、フランスの電力会社EDFのストライキによって電力供給が止まるという予期しない出来事も報告されています。

日本からは是枝裕和監督による『空気人形』が「ある視点」部門に選ばれ、さらに日本・アメリカ・韓国の共同制作であるアロン・ウルフォーク監督の『The Harimaya Bridge はりまや橋』もマルシェの上映作品として参加しました。特に興味深かったのは、コンペティション部門に出品されたもので、ギャスパー・ノエ監督の『エンター・ザ・ボイド』とイザベル・コイシェ監督の『ナイト・トーキョー・デイ』は共に東京で撮影されていたという点です。さらに、河瀬直美監督は、その功績に対して「金の馬車賞」を受賞しました。

受賞結果

第62回カンヌ国際映画祭では、数々の栄誉が発表されました。最も名誉ある「パルム・ドール」を受賞したのはミヒャエル・ハネケ監督の『白いリボン』であり、「グランプリ」はジャック・オーディアールの『預言者』が獲得しました。また、審査員賞にはアンドレア・アーノルドの『フィッシュ・タンク』と、パク・チャヌクの『渇き』が選ばれました。

監督賞にはブリランテ・メンドーサが『キナタイ マニラ・アンダーグラウンド』で受賞し、男優賞はクリストフ・ヴァルツが『イングロリアス・バスターズ』で、女優賞はシャルロット・ゲンズブールが『アンチクライスト』で手にしました。脚本賞はメイ・フェンが『スプリング・フィーバー』で獲得し、カメラ・ドールはワーウィック・ソーントンの『Samson and Delilah』に与えられました。さらに、ある視点賞にはヨルゴス・ランティモスの『籠の中の乙女』が受賞し、特別功労賞はアラン・レネに贈られました。

審査員、上映作品

審査員として、コンペティション部門では委員長のイザベル・ユペールを始めとする様々な才能のある映画関係者が集まりました。これにはヌリ・ビルゲ・ジェイラン（映画監督）、アーシア・アルジェント（女優・映画監督）、ロビン・ライト・ペン（女優）、イ・チャンドン（映画監督・俳優）、ジェームズ・グレイ（映画監督）、ハニフ・クレイシ（作家・脚本家）、スー・チー（女優）、シャルミラ・タゴール（女優）が含まれています。

「ある視点」部門では、パオロ・ソレンティーノが委員長を務めるなど、映画祭の多様性が際立っていました。さらに、短篇映画や学生映画部門ではジョン・ブアマンが委員長を担当しました。映画祭は、多くの才能ある監督や俳優が集まり、映画芸術の重要な場として位置づけられることを改めて示しました。

このように、第62回カンヌ国際映画祭は、さまざまな作品の上映と受賞が行われた印象深いイベントでした。

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