第6SS装甲軍

第6SS装甲軍：ナチス親衛隊の精鋭装甲部隊

第6SS装甲軍は、ナチス・ドイツの武装SS（親衛隊戦闘部隊）によって編成された最初の装甲軍です。当初は第6装甲軍として設立されましたが、1945年4月2日にドイツ国防軍から武装SSに移管され、第6SS装甲軍となりました。

編成

ラインの守り作戦時

第1SS装甲軍団
第1SS装甲師団「ライプシュタンダルテ・SS・アドルフ・ヒトラー」
第12SS装甲師団「ヒトラーユーゲント」
第3降下猟兵師団
第12国民擲弾兵師団
第277国民擲弾兵師団
第2SS装甲軍団
第2SS装甲師団「ダス・ライヒ」
第9SS装甲師団「ホーエンシュタウフェン」

春の目覚め作戦時

第1SS装甲軍団
第1SS装甲師団「ライプシュタンダルテ・SS・アドルフ・ヒトラー」
第12SS装甲師団「ヒトラーユーゲント」
第2SS装甲軍団
第2SS装甲師団「ダス・ライヒ」
第9SS装甲師団「ホーエンシュタッフェン」
第23装甲師団
第44帝国擲弾兵師団「ホーフ・ウント・ドイッチュマイスター」
第102SS重戦車大隊
第4SS装甲軍団
第3SS装甲師団「トーテンコピフ」
* 第5SS装甲師団「ヴィーキング」

戦闘

ラインの守り作戦

1944年9月、第6装甲軍として編成された当初、司令官にはヨーゼフ（ゼップ）・ディートリヒSS上級大将が就任しました。西部戦線のB軍集団に所属し、「ラインの守り」作戦の準備に入りました。しかし、所属する4個の装甲師団は、ノルマンディーの戦いからの撤退戦で戦力を消耗し、再編成も不十分でした。戦車はIV号戦車とパンター戦車の混成部隊で、兵士の補充も十分とは言えず、訓練不足の兵士や空軍・海軍からの補充兵も多くいました。

1944年12月16日、西部戦線におけるドイツ軍の反撃作戦「ラインの守り」が開始されました。第6SS装甲軍は攻撃の中核となり、ヨアヒム・パイパーSS中佐指揮のパイパー戦闘団を先頭にアントウェルペンを目指しました。しかし、アメリカ軍の抵抗により、作戦は当初から停滞しました。パイパー戦闘団は米軍の戦線を突破し、進撃を続けましたが、アメリカ軍による橋の爆破や燃料の焼却により、進撃は阻まれました。その後、第6SS装甲軍の主力はミューズ川への突破を試みましたが、アメリカ軍の反撃により頓挫し、作戦の主導権は第5装甲軍に移りました。最終的に、バストーニュでの苦戦や連合国空軍の活動により、「ラインの守り」作戦は失敗に終わりました。

春の目覚め作戦と終焉

「ラインの守り」作戦の失敗後、第6SS装甲軍は戦力を再び消耗しました。第1SS装甲師団と第12SS装甲師団は兵員や装甲車両の補充を受けましたが、十分な回復には至りませんでした。しかし、SS最高指導者のハインリヒ・ヒムラーの権力により、優先的に装備や兵員を得ることができたにもかかわらず、戦力回復は困難でした。1945年2月には、ハンガリーでのソ連軍橋頭堡を攻撃する「南風」作戦に参加し、ソ連軍を撃退しました。

しかし、東西から連合軍が迫りドイツ本国が危機に立たされる中、ヒトラーはハンガリーの小規模な油田を保持するために、ハンガリーで攻勢をかけることを決定しました。これが「春の目覚め」作戦です。第6SS装甲軍は、偽の名称を使ってハンガリーへ移動しました。1945年3月6日、「春の目覚め」作戦は開始されました。しかし、雪解けの泥やソ連軍の防御により、進撃は遅れ、作戦は失敗に終わりました。ヒトラーは作戦失敗に激怒し、第1SS装甲師団の兵士から袖章を取り外すよう命じましたが、ディートリヒは拒否しました。

第6SS装甲軍はハンガリーから撤退し、オーストリアで防戦を展開しながら西へ向かいました。1945年5月8日、所属師団が米軍に降伏し、翌9日には司令官のディートリヒも米軍に降伏し、第6SS装甲軍の歴史は幕を閉じました。

第6SS装甲軍は、武装SSの精鋭部隊として、数々の激戦を戦い抜きましたが、最終的にドイツの敗北とともにその歴史に終止符を打ちました。その戦歴は、第二次世界大戦末期のドイツ軍の苦闘を象徴するものとして、歴史に刻まれています。1000文字以上1400文字程度。

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