第707特殊任務団

第707特殊任務団：韓国陸軍の精鋭特殊部隊

韓国陸軍特殊戦司令部に所属する第707特殊任務団は、アメリカ陸軍のデルタフォースに匹敵する、韓国を代表する特殊部隊です。1982年、ソウルオリンピック開催を控え、対テロ作戦への対応強化を目的に、第707特殊任務大隊として創設されました。2019年には、団級部隊へと規模を拡大しています。

精鋭部隊の選抜と苛酷な訓練

隊員となるには、10日間にわたる過酷な選抜試験を突破しなければなりません。志願者の約90％が脱落すると言われるこの試験をクリアした者だけが、6ヶ月間の基礎歩兵訓練と6ヶ月間の特殊戦闘訓練へと進むことができます。

訓練内容は並大抵のものではありません。隊員は全員、空挺降下とスキューバダイビングの資格を持ち、テコンドーなどの格闘術においても黒帯レベルの腕前が求められます。さらに、防寒装備を着用しないまま、氷点下の降雪時における徒手体操や低温の湖での泳ぎをこなすなど、極限状態での訓練も実施されています。

訓練施設は世界最先端レベルを誇り、ハイジャック訓練ではボーイング747の実物大模型を使用するなど、実践的な訓練環境が整えられています。また、デルタフォース、FBI HRT、SAS、GIGNなど、世界各国の著名な特殊部隊と交流、共同訓練を行い、常に高度な戦技を習得しています。

多様な任務と装備

第707特殊任務団は、対テロ作戦が主要任務です。ソウルオリンピックやFIFAワールドカップなどの国際的なイベントにおける要人警護、会場警備なども担ってきました。有事の際には、北朝鮮工作員への対処も重要な任務となります。女性隊員も所属しており、人質救出作戦などで、テロリストに脅威とみなされにくいという利点を活かしています。

装備は国産と海外製の両方を用いており、拳銃、サブマシンガン、アサルトライフル、散弾銃、機関銃、狙撃銃など、多様な火器を運用しています。具体的な機種としては、H&K社製のMP5、MP7、USP、K2、K11複合型小銃、FN SCAR、ベネリM4、アキュラシー・インターナショナルAWMなどがあります。

近年の活動

2024年12月3日には、非常戒厳が布告された際に韓国国会への出動が報じられました。元隊員である俳優のイ・グァヌン氏が、兵士の説得にあたったという報道も注目を集めました。これらの出来事は、第707特殊任務団が、韓国の安全保障において重要な役割を担っていることを改めて示すものです。

まとめ

第707特殊任務団は、厳しい選抜と訓練を乗り越えた精鋭部隊として、韓国の安全保障に貢献しています。その存在は、韓国のみならず、世界中の特殊部隊からも高い評価を得ています。高度な訓練、最新の装備、そして国際的な連携によって、今後も様々な脅威に対処していくことが期待されます。

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