第79回ニューヨーク映画批評家協会賞

ニューヨーク映画批評家協会賞の第79回授賞式は、2013年に公開された映画作品の中から特に優れたものを表彰するために開催されました。受賞結果は、同年12月3日に発表され、その年の映画界における批評家たちの評価を明確に示しました。

主な受賞部門とその結果

第79回ニューヨーク映画批評家協会賞では、以下の作品や個人が主要部門の受賞者に選ばれました。

作品賞: 『アメリカン・ハッスル』
監督賞: スティーヴ・マックイーン氏（『それでも夜は明ける』）
主演男優賞: ロバート・レッドフォード氏（『オール・イズ・ロスト〜最後の手紙〜』）
主演女優賞: ケイト・ブランシェット氏（『ブルージャスミン』）
助演男優賞: ジャレッド・レト氏（『ダラス・バイヤーズクラブ』）
助演女優賞: ジェニファー・ローレンス氏（『アメリカン・ハッスル』）
脚本賞: エリック・ウォーレン・シンガー氏、デヴィッド・O・ラッセル氏（『アメリカン・ハッスル』）
撮影賞: ブリュノ・デルボネル氏（『インサイド・ルーウィン・デイヴィス名もなき男の歌』）
アニメ映画賞: 『風立ちぬ』
外国語映画賞: 『アデル、ブルーは熱い色』（フランス）
ノン・フィクション映画賞: 『物語る私たち』
第一回作品賞: ライアン・クーグラー氏（『フルートベール駅で』）

授賞における競争状況

この年のニューヨーク映画批評家協会賞の選考においては、いくつかの部門で特に激しい競争が見られました。

最も注目を集めた作品賞では、最終的に『アメリカン・ハッスル』が受賞しましたが、スティーヴ・マックイーン監督の『それでも夜は明ける』が最後まで強力な対抗馬として競り合いました。この接戦は、両作品の高い評価を反映するものでした。

同様に、主演男優賞の部門も、ロバート・レッドフォード氏が『オール・イズ・ロスト〜最後の手紙〜』での演技で栄冠を手にしましたが、『それでも夜は明ける』で主演を務めたキウェテル・イジョフォー氏との間で、受賞票数が非常に僅差であったとされています。ベテラン俳優と実力派俳優の競り合いは、この年の演技部門のハイライトの一つでした。

一方で、作品賞と主演男優賞を除く他の部門では、選ばれた受賞者や作品が、他の候補に対して比較的明確な支持を集め、票数に大きな差をつけての受賞となった部門が多かったと報じられています。これは、特定の演技や技術、あるいは作品自体が、批評家たちの間で広く認められた結果と言えるでしょう。

授賞結果の意義

第79回ニューヨーク映画批評家協会賞の授賞結果は、その年の映画界を代表する作品や才能を浮き彫りにしました。『アメリカン・ハッスル』が作品賞を含む複数の部門で評価される一方で、『それでも夜は明ける』も監督賞などで主要な評価を得ています。また、主演ではロバート・レッドフォード氏やケイト・ブランシェット氏といった実力派俳優が、助演ではジャレッド・レト氏やジェニファー・ローレンス氏がそれぞれ受賞しました。

さらに、アニメ映画として日本の『風立ちぬ』が、外国語映画としてフランスの『アデル、ブルーは熱い色』が選ばれるなど、アメリカ国内作品だけでなく、国際的な作品や異なるジャンルの作品にも目が向けられた選考となりました。第一回作品賞でのライアン・クーグラー氏の受賞は、今後の活躍が期待される新鋭監督への評価を示しています。

ニューヨーク映画批評家協会賞は、その後のゴールデングローブ賞やアカデミー賞といった主要な映画賞の行方を占う上で重要な前哨戦と位置づけられており、この年の授賞結果も、その後の各賞の展開に影響を与えたと考えられます。総じて、2013年の映画作品の質と多様性を反映した、批評家たちの評価を明確に示す結果となりました。

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