第79回天皇賞

第79回天皇賞（春）の詳細

1979年4月29日、京都競馬場で行われた第79回天皇賞（春）は、出走馬たちの壮絶な競り合いが繰り広げられた。今回は当時の競馬界を代表する馬たちが集結し、競走の舞台に立った。

出走馬の状況

前年のダービー馬であるサクラショウリは、古馬戦線でも圧倒的な存在感を示していた。1月にはアメリカJCCで天皇賞馬のグリーングラスを破り、その後の目黒記念ではアサヒダイオーとシービークロスを従えて勝利を収めた。さらに、菊花賞2着のキャプテンナムラも、次々とレースで好結果を残し、天皇賞制覇に向けての準備が整っていた。同馬は五冠馬シンザンの産駒であり、その名に恥じない走りを見せることが期待されていた。

また、スガノホマレやシルバーランドといった、スピードに特化した馬も出走していたが、キャプテンナムラのスタミナが試される場面は避けられない。キャプテンナムラは長距離での実績があり、特に菊花賞2着や阪神大賞典での優勝を誇っていたため、このレースに臨む姿勢は万全であった。

他に、バンブトンコートやカシュウチカラといった馬も名を連ね、各馬それぞれに物語があった。特にバンブトンコートは、3歳時に素晴らしい成績を誇ったが、4歳時に怪我を負ってしまったため、長距離競走への挑戦に不安が残っていた。カシュウチカラはクラシック出走が叶わずも、目黒記念での好成績が評価され、期待がかかる存在であった。

レース展開

天皇賞は芝3200メートルで行われ、天候は曇り、馬場状態は良好でスタートが切られた。レースはノトボーイが飛び出しを切った後、セルティックエイカが先頭に立つ展開になった。バンブトンコートは3番手に位置しながらも、他の馬たちとの接触によりうまく進めずにいた。

中団に位置するキャプテンナムラとサクラショウリは冷静に進出のタイミングを待っていたが、同時にカシュウチカラが前に進出し、ペースが上がっていく。サクラショウリが外から進出し、カシュウチカラに並びかける瞬間、アサヒダイオーが先頭に立つ。その後を追ってカシュウチカラが迫り、サクラショウリも加わる。しかし、バンブトンコートは思うように進めず、最後の直線に入るまでに後れをとってしまう。

直線に入ると、粘るカシュウチカラがサクラショウリに迫った。郷原騎手はカシュウチカラを激励し、内から展開するキャプテンナムラがその隙を突いて進出した。最終局面で大外からシービークロスが追い上げる中、観客からの歓声が突破口を開く兆しとなった。結果、カシュウチカラがサクラショウリをわずかに差し切り優勝。シービークロスもキャプテンナムラのすぐ後ろまで迫り、3着に入線した。

競走結果

カシュウチカラはこの天皇賞に4度目の挑戦で、ついにその執念を見せつけた。優勝にあたって、競走馬たちに対する敬意と感謝の気持ちが深まる一戦となった。このレースは、その後の競馬界に残る名勝負として語り継がれることだろう。

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