第8軍団 (ウクライナ陸軍)

第8軍団について

第8軍団はウクライナ陸軍に属し、北部作戦管区に配置されています。その歴史は、ソビエト連邦の崩壊を経てウクライナ独立後に生まれた現在の陸軍の中で最も重要な部隊の一つです。

歴史の始まり

この軍団は1946年6月15日に設立されました。設立当初は、ソ連地上軍の第13軍と第52軍を基盤としており、ウクライナ・ソビエト社会主義共和国のジトーミル州にその司令部を置いていました。設立直後は戦後復興の一環として、不発弾や地雷の除去活動に従事しました。

1956年にはハンガリー動乱に参加し、第11親衛機械化師団や第31戦車師団の部隊が派遣されました。この派遣で44人の戦死者が出ましたが、後にハンガリー革命軍を鎮圧することに成功しました。また、1957年には装甲部隊化が進み、名称が第8戦車軍に変更されました。

ソビエト政府からの評価

軍団は1974年にソビエト政府から赤旗勲章を授与され、その存在意義が認められました。1979年からはアフガニスタン紛争にも派遣されており、国際的な任務を経験することになります。さらに、1986年にはチェルノブイリ原発の事故処理にも関与し、第1591独立建設工兵大隊の役割が特に注目されました。

ウクライナ独立後

1991年12月、ソビエト連邦が崩壊し、ウクライナが独立を果たすと、旧ソ連の軍隊の一部が新たに設立されたウクライナ陸軍に加わりました。これに伴って第8軍団も編成され、1993年には部隊の縮小に伴い、正式に第8軍団として再編されました。

ドンバス戦争とその後

2014年3月から始まったロシアのクリミア侵攻では、南部ヘルソン州に展開しクリミア自治共和国との州境を防御しました。その後、ドンバス戦争に再配置され、特にドネツィク州とルハーンシク州での戦闘が続きました。この間、第30独立親衛機械化旅団や第72独立親衛機械化旅団といった部隊が著しい活躍を示しました。

2015年にはウクライナ軍の軍団制度が廃止され、これに伴い第8軍団は解隊され、その役割を終えました。

編制内容

2015年の時点での第8軍団の編成は、以下のようになっていました。

• - 軍団司令部（ジトーミル）
• - 第30独立親衛機械化旅団（ノヴォフラード＝ヴォリンスキー）
• - 第72独立親衛機械化旅団（ビーラ・ツェールクヴァ）
• - 第1独立親衛戦車旅団（ホンチャリスキ）
• - 第26独立砲兵旅団（ベルディチウ）
• - 第16独立陸軍航空旅団（ブロディ）
• - 第27ロケット砲兵連隊（スームィ）
• - 第1129高射ミサイル連隊（ビーラ・ツェールクヴァ）
• - 第12独立作戦支援連隊（ノヴォフラード＝ヴォリンスキー）
• - 第20独立電子戦連隊（ジトーミル）

第8軍団の設立から解隊までの歴史は、ウクライナ陸軍の発展と強化に重要な影響を与えてきました。

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