第82回天皇賞

第82回天皇賞（秋）の詳細

1980年11月23日に東京競馬場で行われた第82回天皇賞（秋）は、競馬ファンにとって記憶に残るレースとなりました。出走馬は11頭で、その中には八大競走の勝ち馬が2頭おり、特にカツラノハイセイコが1番人気に推されていました。この馬は、アイドルホースハイセイコーの初年度産駒であり、前年には東京優駿（日本ダービー）を制した実績を持っています。最近の目黒記念（秋）で優勝し、再起を果たしたカツラノハイセイコに、多くのファンは期待を寄せました。

続いて2番人気はホウヨウボーイ。この馬はデビュー戦での圧勝から長期の休養を経て、復帰後に好成績を収め、関東代表として臨んでいました。3番人気には牝馬のシルクスキーが名を連ね、彼女もその強烈な末脚から高い期待をされていました。4番人気のメジロファントムは、昨年の天皇賞（秋）と有馬記念で僅差の2着という戦績から、ダークホースとして人気を集めています。

出走馬とレース展開

レース開始前、天候は晴れましたが、前日の大雨によって馬場は重となりました。スタート時、人気薄の牝馬プリテイキャストが先導する形でレースが始まりました。プリテイキャストは、過去には長距離重賞で優勝した経験を持つものの、最近の戦績は芳しくありませんでした。しかし、調教師は彼女の逃げが通用することを予感しており、彼女はスタートから順調にリードを確保しました。

レースの後半に入ると、プリテイキャストは他の馬を引き離して最大100メートルものリードを保持していました。だが、そのペースは遅く、他の馬たちは追い上げのタイミングを掴めずにいました。特に、ほかの競走馬たちは彼女のペースに合わせていくつかの困難を抱えていました。

第3コーナーを回る際、プリテイキャストのリードは依然として大きく、柴田騎手は早めにスパートを掛けました。この時、カツラノハイセイコやホウヨウボーイの鞍上は動き出しを見せましたが、他の競走馬が追い上げ始めると、プリテイキャストも急激にペースを上げました。

レース結果

結果として、プリテイキャストが7馬身差で逃げ切り勝ちを果たしました。2着には横山鞍上のメジロファントム、3着には岡部鞍上のアラナスゼットが入線しました。一方、期待されていたカツラノハイセイコは6着、ホウヨウボーイは7着という結果に終わりました。

優勝後の評価

プリテイキャストは、見事なパフォーマンスによってこの年の最優秀5歳以上牝馬に選出されました。レース前の予想では、実力を軽視されていた彼女ですが、見事な逃げで優勝を勝ち取ったことが話題となり、日刊競馬の柏木集保は彼女に本命印を打ち、その予想は的中したと評判になりました。

牝馬による天皇賞制覇

この年の天皇賞（秋）は、1971年のトウメイ以来、9年ぶりの牝馬による制覇としても注目されました。プリテイキャストは、以降の長距離重賞でも牝馬の優勝が見られない状況を作り出したとも言われています。彼女の快挙は競馬界に大きな影響を与え、その後の牝馬の活躍へと繋がることとなりました。

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