第9軍団 (北軍)

北軍第9軍団の歴史と活動

北軍第9軍団（IX Corps）は、南北戦争中にカロライナ、バージニア、ケンタッキー、テネシー、ミシシッピの各地で戦った重要な軍団です。1862年7月22日に正式に名前が付けられましたが、その起源は1862年2月にさかのぼります。これは、アンブローズ・バーンサイドが指揮したノースカロライナ遠征の結果として形成されたもので、彼の指揮下にあった2個師団とアイザック・スティーブンス准将の師団を中心に、戦力が集結しました。

編成と初期の戦闘

第9軍団が初めて戦闘を経験したのは、1862年の第二次ブルランの戦いです。この戦いで、スティーブンスとリノの2個師団が出撃し、合計で約5,000人の兵力で臨みました。しかし、その戦果は芳しくなく、損害は戦死204人、戦傷1,000人を超え、行方不明者も319人という痛手を被りました。この戦いを経て、第9軍団はメリーランド方面作戦に参加し、さらなる戦闘を経験することになります。

メリーランド方面作戦とアンティータム

3つの師団を加えた第9軍団は、メリーランド方面での作戦においても多くの戦闘に参加しました。特に1862年のサウス山の戦いでは、北軍が勝利を収めましたが、同軍団は889人の損害を受け、指揮官リノも失いました。続くアンティータムの戦いでは、約2,349人の損害を出し、これは南北戦争の中でも特に厳しい戦闘の一つとされました。

西部戦線への移動

1863年に入ると、第9軍団は西部戦線に移動し、ケンタッキーを占拠しました。ここでは占領軍としてしばらく駐屯した後、ビックスバーグの包囲戦に支援を提供しましたが、直接の戦闘には参加しませんでした。この時期、軍団内の人員は減少し、疾病による影響も大きかったため、実動兵力が減る中で戦力を維持するのは困難でした。

オーバーランド方面作戦とピーターズバーグ

1864年から始まったオーバーランド方面作戦では、北軍がロバート・E・リーに攻撃を仕掛けます。第9軍団は多くの戦闘に参加し、特に荒野の戦い、スポットシルバニアなどでは大きな損失を出しました。その後、ピーターズバーグでの戦闘においては、「クレーターの戦い」と呼ばれる衝撃的な出来事がありました。

この戦いでは第9軍団が最初に戦果をあげましたが、戦略的な失敗も相次ぎ、最終的には大きな損害を被りました。戦闘の結果、第9軍団は1865年のピーターズバーグ陥落後に重要な役割を果たし、7月27日に解散しました。

最後に

第9軍団の活動は南北戦争の中でも特にドラマチックであり、数多くの英雄的な行動と悲劇を伴った歴史があります。彼らは多くの戦闘で勇敢に戦い、歴史に名を刻みました。

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