第98親衛空挺師団 (ロシア空挺軍)

第98親衛空挺師団

第98親衛空挺師団（98-гв.ВДД）は、ロシア空挺軍に所属する重要な師団です。この部隊は、イヴァノヴォを拠点に活動しており、ソ連時代のウクライナ空中機動軍の基盤としても知られています。

歴史の概観

ソ連軍時代

1944年、独立親衛空挺旅団を基にして新たに編成が行われました。この年の6月にはカレリア戦線に派遣され、南カレリアの解放作戦に参加しました。7月にはスヴィリ川の渡河作戦を成功させ、その功績により「親衛隊」と「スヴィリ」の称号が授与されました。1945年には、第3ウクライナ戦線に所属し、ハンガリーでドイツSS装甲師団を撃破するなど、数々の戦闘での活躍が認められ、「戦闘赤旗勲章」が授与されました。さらに、ヴァラトン湖北方の戦闘を経て、オーストリアおよびチェコスロバキアに進出し、連合軍との接触も果たしました。

その後、1945年から46年の冬にはハンガリーに駐屯し、さらなる配置転換により、モスクワ軍管区や極東軍管区に移動しました。そして、1968年に受けた「2等クトゥーゾフ勲章」をはじめ、数多くの栄誉を獲得しました。

ウクライナ駐屯時代

1969年にはウクライナ・ソビエト社会主義共和国のオデッサ軍管区に転属され、1980年代後半にはアフガニスタンでの戦闘にも参加しました。こうした中、1987年には名誉称号「大十月70周年」を授与され、この称号を有する部隊はソ連全体で3つのみという極めて重要なものでした。

ロシア連邦軍時代

ソビエト連邦解体後の1993年、ウクライナから撤退し、イヴァノヴォに駐屯地を移しました。新たな局面として、1994年から1995年にかけて第一次チェチェン紛争に従事しました。1996年にはボスニア・ヘルツェゴビナでの平和維持活動にも関与し、以降も様々な地域での任務を遂行しています。1999年から2000年にかけては第二次チェチェン紛争にも投じられ、さらに2014年にはドンバス戦争でも部隊が動員されました。

2018年には赤の広場での戦勝記念日パレードに参加し、最近では2022年のウクライナ侵攻においても報道されるなど、現在に至るまでの歴史を持っています。

編成

第98親衛空挺師団は、以下の部隊で構成されています。

• - 師団司令部（イヴァノヴォ）
• - 第217親衛落下傘連隊
• - 第299落下傘連隊
• - 第331親衛落下傘連隊
• - 第1065砲兵連隊
• - 第318独立高射ミサイル大隊
• - 第661独立工兵大隊
• - 第674独立通信大隊
• - 第15独立修理大隊
• - 第243独立軍事輸送航空飛行隊

このように、第98親衛空挺師団は長い歴史を有し、様々な戦闘や特殊任務に従事し続けてきました。戦争や平和維持に対する貢献は、部隊の記憶に刻まれています。

もう一度検索