社長太平記

社長太平記

『社長太平記』（しゃちょうたいへいき）は、1959年1月3日に公開された『社長シリーズ』の第6作目の映画で、製作と配給は東宝が担当しています。作品はモノクロで、東宝スコープによる撮影が行われました。

この映画は、シリーズの主な監督である松林宗恵が手がけた3作品目にあたりますが、彼はこの作品を最後にシリーズから離れることとなります。そのため、続編の『続・社長太平記』は、青柳信雄が監督し、主要な制作スタッフも交代することになりました。

物語の概要

物語は、女性下着メーカーである錨商事の社長、牧田（森繁久彌）が中心人物です。牧田は、関西にあるライバル会社であるさくら商会の東京進出に対抗し、大福デパートへの商品納品を巡って奮闘しています。しかし、営業部長である三木のり平がうまく事を進められなかったため、牧田は大森専務（小林桂樹）に仕事を任せることにします。

大森専務は独身で、庶務課長・朝比奈（加東大介）の娘に秘密の思いを抱いています。朝比奈は戦時中には海軍の巡洋艦艦長としての経験があり、過去の因縁で大森と牧田の間には少々の複雑な関係が存在します。物語の中で、工場が突如火事に見舞われ、大きな危機に直面する展開が描かれています。

スタッフとキャスト

映画の監督は松林宗恵で、製作は藤本真澄が担当しました。脚本は笠原良三が書き、音楽には宅孝二が起用されています。また、撮影は玉井正夫、美術は小川一男、録音は藤好昌生、照明は石井長四郎、編集は大井英史が行っています。

キャストには、社長役の森繁久彌をはじめ、小林桂樹（大森役）、加東大介（朝比奈役）、三好栄子、久慈あさみ、団令子などが名を連ねています。

特に、牧田社長と連携する各人物の設定や過去のつながりが物語を深くし、視聴者にテーマが伝わる工夫が施されています。

補足情報

興味深いことに、本作の冒頭には牧田社長の軍隊時代を描いた夢のシーンがあり、その際には監督助手である古澤の好みの「軍艦行進曲」がバックグラウンドミュージックとして流れます。また、小林桂樹は坊主頭の役柄で登場しており、これは前年の主演作品『裸の大将』における役作りのためです。

同年には、『隠し砦の三悪人』が同時に上映され、異なるジャンルの作品が並ぶ映画館での楽しみが広がりました。

外部リンク

さらなる詳細は以下のリンクからご覧いただけます：

• - 社長太平記 - allcinema
• - 社長太平記 - KINENOTE
• - 社長太平記 - 文化庁日本映画情報システム

本作は、社長業の苦悩や人間関係の妙を描いた、笑いと感動の要素を兼ね備えた作品です。

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