笹川紀勝

笹川 紀勝（ささかわ のりかつ）

笹川紀勝は、日本の著名な法学者であり、憲法や良心の自由、信教の自由に関する研究で知られています。彼は1940年に北海道赤平市で生まれ、様々な大学で教鞭をとりながら、日本の憲法学の発展に寄与してきました。彼の学位は、法学博士であり、1986年には北海道大学からこの学位を取得しました。さらに、学位論文では、国家と宗教の関係に関するドイツ教会法学説史をテーマに深く掘り下げています。

略歴

笹川氏は1959年に北海道赤平高等学校を卒業後、1960年には北海道大学に入学しました。初めは理類に属していましたが、1963年に法学部に転部。1965年には卒業し、さらに北海道大学大学院法学研究科で修士課程を終了後、同大学法学部の助手としてキャリアをスタートしました。

1970年には北星学園大学経済学部の専任講師に就任し、その後助教授、教授と昇進。1986年には国際基督教大学教養学部教授となり、2005年から2011年まで明治大学法学部の教授としても活躍しました。2014年3月まで学校法人北海学園で特任教授として活動を続けました。

研究領域

笹川氏の研究の中心は、日本国憲法における人権規定、特に良心の自由と信教の自由にあります。また、平和主義や天皇制についても多くの研究を行っています。近年では、憲法と国際法の関連性を探求し、韓国併合条約の歴史的・国際法学的視点からの再検討や、三・一運動に関連する裁判の分析など、幅広い視点から法学を研究しています。

主要著書

笹川氏は、その研究成果を多数の著書として発表しています。主な著作には、以下のようなものがあります：

• - 『天皇の葬儀』（1988年、新教出版社）
• - 『自由と天皇制 憲法問題双書』（1995年、弘文堂）
• - 李泰鎮と共編の『韓国併合と現代 - 歴史と国際法からの再検討』（2008年、明石書店）
• - 金勝一との共著『日本の植民地支配の実態と過去の清算 - 東アジアの平和と共生に向けて』（2010年、風行社）
• - 柏崎敏義、加藤一彦との共著『憲法判例特選』（2010年、敬文堂）
• - 岩崎孝志、野寺博文、結城晋次との共著『韓国強制併合から100年』（2010年、いのちのことば社）
• - オットー・フォン・ギールケの著作を本間信長、増田明彦と共訳した『ヨハネス・アルトジウス - 自然法的国家論の展開及び法体系学説史研究』（2011年、勁草書房）
• - 『憲法の国際協調主義の展開 - ヨーロッパの動向と日本の課題』（2012年、敬文堂）
• - 邊英浩と共同監修、都時煥編著『韓国強制併合100年歴史と課題 - 国際共同研究』（2013年、明石書店）

彼の著作は、憲法学だけでなく、法学全体にわたる広範な影響を与えており、今後の日本の法学研究においても重要な指標となるでしょう。

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