笹流ダム

笹流ダムについて

笹流ダム（ささながれダム）は、北海道の函館市に位置する二級河川・亀田川水系の笹流川に建設されたダムです。このダムは函館市企業局上下水道部によって管理されており、水道専用の貴重な施設です。特に、このダムは日本に存在するバットレスダムの中でも最初のものであり、当時の技術の進歩を物語っています。そのため、土木学会によって土木学会選奨土木遺産にも指定されています。

歴史的背景

日本の近代水道制度が導入されたのは明治時代以降のことで、函館市は早くも1854年の日米和親条約を契機に急速に人口が増加しました。この急激な人口増加に伴い、水の需要も急増し、従来の地下水や河川からの直接の取水方法は限界を迎えました。函館市は全国で二番目に近代水道技術を導入し、1921年に笹流ダムの建設が開始され、1923年に完成しました。設計は小野基樹によるもので、ダムの堤高は25.3メートルとされています。

ダムの構造

笹流ダムの中央部は130.9メートルがバットレスダムで、左岸及び右岸の取り付け部はそれぞれ30.91メートルと37.58メートルの重力式コンクリートダムで構成されています。中央部は温度変化に対応するため、3つのブロックに分割されています。また、亀田川本流には河川水を貯水池へ引き入れるための取水設備が設けられており、これによって安定した水供給が実現されています。

環境と付帯施設

ダムの建設に伴い、笹流貯水池という人造湖が誕生しました。この貯水池は自然環境と共存する重要な水源となり、2005年にはダム湖百選にも選定されています。また、ダムの下流には公園が整備されており、ピクニックやスポーツ、バーベキューなど、函館市民にとって憩いの場となっています。特に、秋には美しい紅葉が楽しめるスポットとしても知られています。

交通アクセス

函館市へ訪れる際には、JR函館駅や五稜郭方面から行くことができ、函館バスの105系統「赤川」行きで『赤川小学校』下車後に徒歩でアクセス可能です。

関連情報

笹流ダムは歴史的つながりから、近年でも続くダムと水道の発展において重要な役割を果たしています。また、周辺には中野ダムも存在し、両者は地域全体の水道供給に寄与しています。日々、函館市民の生活を支える重要なインフラとして、今後もその役割を担い続けていくことでしょう。

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