筆画

筆画とは

筆画（ひっかく）とは、漢字を構成する基本的な要素であり、最小単位の「点」や「線」を指します。これは、筆を下ろして書き始め、再び離すことでできる一連の動きによって生まれます。筆画は「点画（てんかく）」とも呼ばれることがあります。

画数と筆順

漢字を構成する筆画の数を「画数（かくすう）」といい、「1画、2画」のように数えます。また、筆画を書き進める順番を「筆順」と呼び、漢字を正しく書く上で重要な要素となります。

筆画の種類

筆画は大きく分けて以下の4つに分類されます。

1. 横画（おうかく）：水平方向に書く線。
2. 縦画（じゅうかく）：垂直方向に書く線。
3. 斜画（しゃかく）：斜めに書く線で、左払い、右払い、左跳ね、右跳ねが含まれます。
4. 点：点として書かれる筆画。

筆画の基本

古くは、書法の基本として「永字八法」という、「永」の字を使った書法が用いられていました。これは、点（側）、横画（勒）、縦画（努）、左跳ね（趯）、短い右上がりの横画（策）、左斜め払い（掠）、短い左斜め払い（啄）、右斜め払い（磔）の8つの筆画を基本としています。ただし、これは書法の説明であり、筆画を分析したものではありません。

現在、中国では約30種類の筆画が設定されており、点（丶）、横（一）、縦（丨）、右上斜め跳ね（提）、左斜め払い（丿）、右斜め払い（乀）、鉤（乛・亅：横画または縦画からのはね）、折（┑）の8つが基本とされています。その他の筆画は、これらの応用として説明されます。例えば、「乃」の右側の筆画は横折折折鉤と表現されます。筆画を組み合わせることで、漢字の構成要素である偏や旁が作られます。

例外的な筆画

基本の筆画以外にも、ループする筆画など例外的なものを持つ漢字が存在します。
例：㔔、㪳、㫈、𠆭、𠇇、𠍋、𠪳、𡆢、𡦹、𡧑、𢀓、𦮙、𦹗など。

筆画の利用

筆画は、漢字の検索やコンピューターでの入力など、様々な場面で利用されています。

四角号碼索引：漢字の四隅の筆画の形状を数字に分類し、左上、右上、左下、右下の順に並べて索引する方法です。
例：「端」は0212。
五筆順：筆画の形状を5種類に大別し、文字を配列する方法で、部首や総画、発音による索引の補助として利用されます。
五筆字型入力方法：コンピューターで中国語を入力する方式の一つで、キーボードに筆画や筆画の組み合わせを割り当てて入力します。
画数順：漢字を画数の少ない順から並べる方法です。漢字辞典では、部首ごとに分類し、さらに部首内の漢字を部首を除いた画数順に並べる方法が一般的です。
総画索引：漢字を総画数で検索する方法で、同じ画数の漢字は部首順に並べられることが多いです。

画数の多い漢字

漢字には、非常に画数の多いものも存在します。

教育漢字：議、競、護（20画）
常用漢字：鬱（29画）
人名用漢字：鷹、麟（24画）
異体字：廳（25画）
JIS第一水準漢字：欝（25画、旧字体では26画）
日本漢字能力検定準1級：鬱（29画）
JIS第二水準漢字：驫、鸞（30画）
日本漢字能力検定1級：麤（33画）
JIS第三水準漢字：麤（「鹿」を3つ並べた字）、龗（雨冠に「口」3つの下に「龍」）（33画）
JIS第四水準漢字：（䯂）（「驫」の下に「木」）（34画）
新選漢和辞典：（齉）（36画）
UnicodeCJK統合漢字ブロック：（龘）（48画）
新大字典：（龘）（48画）
康熙字典：（䨻、雷を4つ並べた字）（52画）
Unicode基本多言語面全体：（䨻、雷を4つ並べた字）（52画）
Unicode追加漢字面全体：（𪚥、龍を4つ並べた字）、（𠡛、興を4つ並べた字）（64画）
大漢和辞典：（𪚥、龍を4つ並べた字）、（𠡛、興を4つ並べた字）（64画）
Unicode全体：（𱁬）（84画）
戸籍統一文字：（𪚥、龍を4つ並べた字）、（𠡛、興を4つ並べた字）（64画）
国字：（84画） - たいとを参照。
部首：龠（17画）

まとめ

筆画は漢字の基本であり、その種類や組み合わせを理解することで、漢字の構造や意味をより深く理解することができます。また、筆画は漢字の検索や入力にも重要な役割を果たしており、現代社会においても欠かせない知識となっています。

参考文献

『書の技法用語100ハンドブック』（可成屋、2004年7月）ISBN 4-8393-8725-7
『読売書法講座 2 楷書』（読売新聞社、1991年3月）ISBN 4-643-91009-7
西川寧ほか 「書道辞典」（『書道講座』第8巻 二玄社、1969年7月）

関連項目

姓名判断
書法
書道
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