筆箱

筆箱（ふでばこ）

筆箱とは、鉛筆やペンなどの筆記具を収め、持ち運ぶための文房具です。筆入れ、ペンケースとも呼ばれます。

歴史

明治時代、西洋文化の導入とともに鉛筆が日本に入ってきました。当時、鉛筆を学校へ運ぶ際には木箱が用いられていましたが、その後アルミ缶が併用されるようになりました。1970年代頃には、小学生向けの筆箱として「電子ロック」（実際には磁石を用いた開閉機構）付きの製品が登場し、その後、両面開閉式、シャッター式、収納面を増やすギミックを備えた「マチック」タイプの筆箱が流行しました。しかし、1980年前後には子供の価値観の変化とともに、これらの筆箱は衰退していきました。

構造

かつてはセルロイド製のものが多かったものの、引火しやすいという欠点がありました。ブリキ製の筆箱も伝統的で、現在でも金属製のもの（カンペン）は一定数存在します。現在主流なのは、プラスチック製や布製の筆箱です。他にも、ポリ塩化ビニル製や皮革、人造皮革を使用したものもあります。

形状も様々で、伝統的なものは弁当箱のような入れ子式の蓋を持ち、内部には鉛筆を整理するための仕切りがあります。布製のものは、横長の財布のような構造で、ファスナーで開閉するものが一般的です。中には鉛筆削りが内蔵されたものや、キャラクターやイラスト、ブランド名が入ったものもあります。

材質

金属製

ブリキ
ステンレス

布製

キャンバス

革製

羊
人造皮革

その他

ポリ塩化ビニル（PVC）
ポリウレタン（PU）

閉じ口

金属製やポリ塩化ビニル
蝶番
磁石

蓋

革・布
ファスナー
ベルト

小学校では、鉛筆キャップの使用が禁止されていることが多く、箱型でホルダー付きの筆箱が推奨されています。また、授業中の鉛筆削り（携帯用も含む）も禁止されているため、生徒は5本程度の鉛筆を自宅で削ってから持ってくるように指示されています。教室には卓上鉛筆削りが用意されていますが、休み時間には遊びに夢中で鉛筆を削るのを忘れてしまう子供が多いため、このような対策がとられています。

著名なメーカー

サンスター文具: 「象が踏んでも壊れない」というキャッチフレーズのCMで有名になった「アーム筆入」が代表的です。
PORTERペンケース: ブランドペンケースの中でも人気が高く、素材にこだわった製品は高校の入学祝いに選ばれることが多いです。

関連事項

ペンスタンド: 卓上で使用する据え置き型の筆記具立て。
* 硯箱、筆巻、矢立: 毛筆に使用する同類の用具。

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