等覚寺 (横須賀市)

等覚寺の紹介

等覚寺（とうかくじ）は、神奈川県横須賀市久村に位置する日蓮宗の寺院です。山号は栄久山で、三浦三十三観音霊場の16番札所としても知られています。この寺院には、横須賀市指定文化財として評価されている千手観世音菩薩像が祀られており、歴史的な価値が高い場所です。等覚寺の旧本山は身延山久遠寺で、潮師法縁に属しています。

歴史的背景

等覚寺は、天正12年（1584年）に等覚院日大によって創建されました。この開山には、身延山久遠寺の17世である日新の勧めがあったと言われています。創建当初からの歴史を持ちながらも、延宝7年（1679年）には現在の地へと移転され、その際に本堂や庫裡が再建されました。これにより、等覚寺はその後の歴史の中で、地域の信仰の拠り所となっていきました。

境内の見どころ

等覚寺の境内には、いくつかの重要な文化財が存在します。特に重要なのが、それぞれ平安時代に属する仏像たちです。ここでは、千手観世音菩薩像が重要な役割を果たしています。元々、御瀧神社（久村535）の神宮寺であった経塚山千手院から、明治時代の神仏分離によって廃寺となった後、昭和5年（1930年）から等覚寺において祀られることとなったのです。この像は、慈悲深い存在として多くの人々に信仰されてきました。

また、金剛力士像も境内にあり、こちらも平安時代の作品です。近隣の丸山不動院から千手院を経て、同じく昭和5年から祀られるようになりました。これらの仏像は、単なる芸術作品としてだけでなく、信仰の対象としても重要視されています。

歴代の僧侶

歴史の中で等覚寺を支えてきた僧侶として、初代開山の等覚院日大が特に知られています。彼の教えと活動は、この寺院の基盤を築く上で不可欠なものでした。その後の僧侶たちも、それぞれに独自の役割を果たし、今日の等覚寺を形成してきたのです。

参考文献

1. 日蓮宗寺院大鑑編集委員会『宗祖第七百遠忌記念出版 日蓮宗寺院大鑑』大本山池上本門寺 (1981年)
2. 横須賀郷土史研修会『横須賀の史跡を訪ねて』横須賀市教育委員会
3. 「衣笠庄 久村」『大日本地誌大系』 第40巻新編相模国風土記稿5巻之113村里部三浦郡巻之7、雄山閣、1932年8月。NDLJP:1179240/152。

等覚寺は、地域に根ざした歴史と文化を持ち、訪れる者に深い感動を与えることでしょう。

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