筋肉内注射

筋肉内注射（Intramuscular Injection）

筋肉内注射とは、医薬品を直接筋肉に投与する注射方法の一つで、一般には筋肉注射または単に筋注と呼ばれています。この手法は、血管内に投与すると副作用が強いため、特に薬剤の選択が重要です。筋肉内注射では、他の投与経路では使用できない特定の薬剤を安全に投与できます。

筋肉内注射の特徴

日本においては、筋肉内注射の主な投与部位として上腕の外側（三角筋）や臀部が推奨されています。特に、上腕の筋注部位では橈骨神経を避けるポイントに留意が必要です。新生児や乳幼児の場合、臀部よりも大腿前面のやや外側の部位がより適しているとの考え方もあります。

皮膚に対して直角で注射を行うため、注射時に患者は心理的恐怖感を感じることが多いとされています。また、筋肉注射は副反応として硬結、無菌性筋肉壊死、神経障害が起こる可能性があるため、医療従事者は十分な理由をもって行う必要があります。

筋肉内注射の適応

この注射法は、静脈注射では行えない油性や懸濁性の薬剤、さらに皮下注射では投与不可能な多量の薬液（通常5mL以上）を必要とする場合に用いられます。特に予防接種においては、多くの国で不活化ワクチンは筋肉注射が原則です。しかし、1970年代に行われた不適切な筋注が招いた大腿四頭筋拘縮症の事例から、日本では小児に対して皮下注射の方が主流となっています。高齢者に対するインフルエンザ[[ワクチン]]も、皮下注射が一般的となっています。

使用される医薬品

筋肉内注射で使用される医薬品の例としては、以下のようなものがあります：

• - ハロペリドール
• - クロルプロマジン
• - ロラゼパム
• - モルヒネ
• - プレドニゾン
• - ビタミンB12（シアノコバラミン）

また、ワクチンについても筋肉内接種が行われているものがあります。主なものには、ヒトパピローマウイルスワクチン、狂犬病ワクチン、COVID-19ワクチンなどがあります。これに対し、日本国内ではA型肝炎ワクチンやB型肝炎ワクチンなどが筋肉内または皮下接種されることが多いです。

筋肉内注射の重要性

筋肉内注射は適切に行うことで、迅速かつ効果的な治療を可能とします。しかし、その実施にはリスク管理が欠かせません。医療者は患者への説明責任を果たし、その理解と同意を得ることが求められます。安全に注射を行うためには、技術と知識の向上が重要です。

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