筑波大学附属桐が丘特別支援学校

筑波大学附属桐が丘特別支援学校

東京都板橋区小茂根に位置する筑波大学附属桐が丘特別支援学校は、国立の特別支援学校です。筑波大学の附属校の一つであり、とりわけ肢体不自由のある児童生徒への教育を専門とする国立の特別支援学校としては、国内で唯一の存在として知られています。英語名称は Special Needs Education School for the Physically Challenged, University of Tsukuba です。

概要

学校は大きく二つのキャンパスで構成されています。一つは、主に自宅から通学する児童生徒が学ぶ本校です。もう一つは、心身障害児総合医療療育センター内にある整肢療護園に入院している児童生徒のための施設併設学級です。

本校、施設併設学級ともに、小学部、中学部、高等部が設けられており、それぞれに普通学級と特別学級が設置されています。本校の学級数は、小学部が普通学級6・特別学級3、中学部が普通学級3・特別学級3、高等部が普通学級3・特別学級4となっています。施設併設学級では、小学部が普通学級1・特別学級4、中学部が普通学級1・特別学級2、高等部は特別学級1のみが設けられています。各学級にはそれぞれ定められた定員があります。

入学に際しては、学力試験による選考が行われます。特定の学区による制限はなく、東京都内全域はもちろんのこと、千葉県、神奈川県、埼玉県など広範囲から児童生徒が通学しています。

教育・研究

本校は、日本の肢体不自由教育における教育実践と研究開発の中心的役割を長年にわたり担ってきました。教育の質の向上を目指し、毎年定期的に研究会やセミナーを開催しています。具体的には、毎年2月には肢体不自由教育実践研究協議会を、8月には自立活動実践セミナーを開催しており、全国の教育関係者の研鑽の機会を提供し、研究成果を広く発信しています。

特に自立活動分野では、画期的な教育手法の研究と実践を推進してきました。例えば、心理学者の成瀬悟策氏が開発した動作法は、医療のリハビリテーション手法である動作訓練から派生した教育的手法であり、本校はその実践と発展に深く関わっています。また、関東心理リハビリティション連絡協議会の事務局も務めています。静的弛緩誘導法は、本校教諭であった立川博氏によって開発された手法です。さらに、知覚-運動分野では、子供たちが楽しみながら体を動かせるふれあい体操の一環として「ふあふあ体操」を開発するなど、実践的な研究成果を全国に発信し、日本の肢体不自由教育の発展に大きく貢献しています。

沿革

学校の歴史は、1943年に高木憲次氏によって日本初の肢体不自由児施設として設立された整肢療護園にルーツを持ちます。1952年には、同園の要請を受け、東京教育大学附属小学校（現：筑波大学附属小学校）の教員2名が派遣され、園児への教育が開始されました。これが学校教育の始まりと位置づけられています。そして、1958年4月1日には、東京教育大学教育学部附属養護学校として正式に開校しました。

その後、学校の名称は時代の変遷とともに何度か変更されています。1960年4月26日には東京教育大学教育学部附属桐が丘養護学校と改称。1973年4月1日には教育学部の項が削除され、東京教育大学附属桐が丘養護学校となりました。1978年4月1日には、大学の移管に伴い筑波大学附属桐が丘養護学校となります。国立大学法人化を経て、2007年4月1日に現在の校名である筑波大学附属桐が丘特別支援学校に改称されました。

この長い歴史の中で、教育環境の整備や研究活動の拡充が進められてきました。1962年には通学対象学級系列（通学部）が開設され、1970年には入院部新校舎が竣工しています。1972年からは、肢体不自由教育実践研究協議会が毎年開催されるようになり、研究活動が本格化しました。学校の節目節目には記念行事も開催されており、1989年の創立30周年、1999年の40周年、2008年の50周年、そして2018年の60周年など、その歴史を振り返り未来へつなぐ機会となっています。

関連

筑波大学附属学校群の一つであり、歴史的には東京教育大学からの流れを汲んでいます。肢体不自由教育の専門機関として、日本の特別支援教育において重要な位置を占めています。

関連校：筑波大学、東京教育大学、筑波大学附属小学校など。
関連項目：東京都特別支援学校一覧、日本の国立学校一覧など。

本校に関する詳細は、公式サイトで確認できます。

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