篠原長秀

篠原長秀の生涯

篠原長秀（しのはら ながひで）は、戦国時代から安土桃山時代にかけて活動した武将で、阿波今切城の城主としての役割を担っていました。彼は、篠原自遁の嫡男であり、早い時期から武士としての道を歩み始めました。

早期の活動

長秀の歴史的な活動は、彼が畿内で活動していた頃から始まります。永禄5年（1562年）には，大阪府羽曳野市にある高屋城に滞在しており、この地域の支配に関与していたことが記録されています。同年の8月には、三好康長や加地盛時、矢野虎村らと共に掟書に署名し、その11月には同じく康長らと共に起請文に署名しています。

この年3月に、長秀の主君であった三好実休が戦死した後、長秀たちはまだ幼い実休の子・長治を守ることを誓い、「御家」のために尽くす意思を表明していました。これが長秀の忠誠心や家族を守る姿勢を示す一例となっています。

阿波三好家との関係

永禄11年（1568年）の秋、足利義昭と織田信長が上洛すると、阿波三好家は高屋城を失ってしまいます。これにより長秀は、三好長治に近侍する立場に移ったと考えられています。元亀4年（1573年）の5月には、長治の書状に名を連ね、伊沢右近と共に外交的な交渉を担当していたことが確認されています。

長治との運命

天正4年（1576年）、長治は阿波守護家の細川真之を討伐するために出陣します。しかし、彼の軍勢は離反した一宮成相らによって敗北します。長治は長秀の居城である今切城に逃げ込みますが、成相方の攻撃に遭い、結局、別宮浦に逃げ込むことになります。その後、長治は同年の年末に自ら命を絶つことになります。この事件は、長秀にとって非常に悲劇的な出来事であり、彼の運命もここから激変してしまいます。

最期とその後

長秀はその後、被官の郡勘助にかくまわれていましたが、勘助が成相の側に情報を漏らしたために討たれてしまいます。彼の死後、長秀を偲んだ村民によって、彼を祀る堂宇が建てられました。現在、その場所には徳島市春日に位置する篠原神社があります。この神社は、長秀が地域社会に与えた影響や彼の死後の人々の敬意を物語る重要な場所となっています。

篠原長秀の生涯は、当時の厳しい戦国の時代背景の中で、家族や忠誠心、武士としての誇りをもって生きた一人の武将の物語と言えるでしょう。その足跡は、今でも多くの人々によって語り継がれています。

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