米原章三

米原章三の生涯と業績

米原章三（よねはら しょうぞう、1883年11月16日 - 1967年10月19日）は、日本の著名な実業家であり政治家である。鳥取県の多額納税者として知られ、鳥取県会議員や貴族院議員を歴任した。彼はまた、鳥取市名誉市民としても名を馳せている。

生い立ち

章三は、鳥取県八頭郡河原町（現在の鳥取市）に生まれた。彼の父、範七は1885年に県会議員として政治活動を始めたが、残念ながら1890年に病死してしまった。この出来事により、家族の経済的基盤は急激に衰えた。高等小学校を卒業後、米原は鳥取県立簡易農学校に進学し、17歳で卒業。その後、若桜小学校で代用教員として短期間勤務し、教育の道にも触れた。

1900年には大日本農会附属の私立東京農学校に進学し、1903年に卒業。その後、早稲田大学専門部に入学し、自己の信仰について深く考えるようになった。この時期、米原はクリスチャンとなり、宗教生活を真剣に貫くこととなった。

結婚と家業への帰還

智頭町の山林地主の長女と結婚し、1906年には早稲田大学専門部政治経済科を卒業。直ちに帰郷し、家業である林業に従事し始めた。山林事業の近代化を目指し、八頭木材会社の経営に参加し、さらには銀行業にも視野を広げた。その結果、大正鳥取銀行の創設に関与し、同銀行の役員として経営にも取り組んだ。

政治と経済界への進出

米原は1911年に智頭村会議員に選出された後、1923年に鳥取県会議員、1928年には県会議長に就任するまでに成長した。さらには1932年に貴族院議員にも任じられる。彼はまた、1930年に県東部のバス・タクシー八社を統合して日ノ丸自動車株式会社を設立し、交通網の整備にも貢献した。1944年までに約28社を統合し、鳥取県全域のバス網を一つにまとめ上げた。

1938年には丸由百貨店（後の鳥取大丸）を設立し、社長として運営に携わった。この百貨店の立地選定には、彼の知見が活かされ、鳥取駅前という当時の経済的中心へ店舗を構えることとなった。さらに、1939年には鳥取新報、因伯時報、山陰日日新聞の県内三紙を合同し、日本海新聞を創立。その初代社長に就任する。

戦後の活動と晩年

戦後、米原は公職追放となるが、その後追放が解除されると、1958年に日本海テレビを設立し、メディア業界にも参画した。公職に復帰することはなかったが、彼の経歴は多岐にわたり、日本の地方経済の発展に寄与した。

1967年10月19日、鳥取市内の病院で亡くなり、1969年には鳥取市議会において名誉市民として選出された。彼の人生は、政治と経済の両面での取り組みを通じて、日本の地方社会に多大な影響を与えるものとなった。

家族と親族

米原章三には多くの家族がいる。養妹千枝は由谷義治に嫁ぎ、妻は八重（養父の富蔵の長女）。彼には長男の穣が実業家として活躍し、その家族も各界で活動している。孫や姪もそれぞれの分野で努力しており、米原家は引き続き地域社会に影響を及ぼしている。

米原章三の遺産は、彼の業績の中においても、家族経営や地方貢献においても色濃く残っている。

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