粟ヶ岳 (静岡県)

粟ヶ岳（あわがたけ）

粟ヶ岳は、静岡県掛川市と島田市にまたがる標高532mの山で、別名「無間山」とも呼ばれています。山頂は掛川市東山に位置し、島田市との境界までは約200mです。

特徴

山頂には阿波々神社があり、遠州七不思議の一つ「無間の鐘」の伝説が残っています。また、山頂近くの南東斜面には、ヒノキが「茶」の文字を描くように植林されており、島田方面や牧之原台地からその姿を眺めることができます。この茶文字は、当初昭和7年に松で植えられましたが、マツクイムシの被害により枯れてしまったため、昭和58年にヒノキに植え替えられました。

江戸時代には、安藤広重の「東海道風景図会」にも描かれており、当時の粟ヶ岳は山頂付近にのみ樹木が存在し、大部分が草地であったことがわかります。また、昭和初期の絵葉書にも、東海道から見た同様の風景が残されています。

山頂付近には粟ヶ岳固定局と呼ばれる無線施設群があり、静岡県内のテレビ・ラジオ放送局の送信所や、東西の中継局として機能しています。山の直下には新東名高速道路最長の粟ヶ岳トンネルが通っています。粟ヶ岳は、一級水系菊川と二級水系太田川水系逆川の水源地でもあります。山の麓には、掛川市東山や島田市志戸呂（牧之原台地の北端）に広大な茶畑が広がっています。

観光

粟ヶ岳は桜の名所としても知られており、春には多くの観光客が訪れます。山頂の展望台からは、南アルプス、富士山、伊豆半島、駿河湾、牧之原台地、小笠山、遠州灘といった、息をのむような絶景を一望できます。整備されたハイキングコースもあり、路線バスを利用して東山地区を散策する観光客も少なくありません。また、バイクツーリングを楽しむ人々にも人気のスポットです。

アクセス

自動車の場合

東名高速道路：掛川ICまたは相良牧之原IC
新東名高速道路：島田金谷ICまたは森掛川IC

国道1号の日坂交差点からは、約30分で到着します。ただし、途中には非常に狭い道が続くため、運転には注意が必要です。

路線バスの場合

掛川駅で掛川バスサービスの東山線（日坂・粟ヶ岳方面）に乗車してください。

外部リンク

* 粟ヶ岳 - 掛川市

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