粟井神社

粟井神社の概要

粟井神社は、香川県観音寺市にある歴史ある神社です。かつては讃岐国苅田郡の式内社（名神大社）として、讃岐国内で特別な存在でした。現在では県社として、地元の人々から大切にされています。

神社の境内は、藤目山の麓、岩鍋池のほとりに位置し、自然豊かな環境が魅力です。特に、約3,000株ものアジサイが植えられており、その美しさから「あじさいの宮」「アジサイ神社」とも呼ばれています。毎年6月には「あじさい祭」が開催され、多くの人々で賑わいます。

祭神

粟井神社の主な祭神は以下の通りです。

主祭神: 天太玉命（あめのふとだまのみこと）
配祀: 天照皇大神（あまてらすおおみかみ）、月讀命（つくよみのみこと）、保食神（うけもちのかみ）、須佐之男命（すさのおのみこと） - 須賀神社として本殿に共に祀られています。

由緒

創建時期は不明ですが、讃岐忌部氏がこの地を開墾した際に、氏神である天太玉命を祀ったのが始まりとされています。「粟井」という名前は、阿波国または安房国から移り住んだ人々が、「アハ居＝あわい」と呼んだことに由来すると伝えられています。また、社伝によれば、白鳳12年（672年）に阿波国から神託を受けた者が、天太玉命、月読命、保食命の三神を勧請したともされています。

『続日本紀』には、承和9年（842年）に粟井神が名神に列せられたと記されており、平安時代初期には既に名社として知られていたことがわかります。『三代実録』には、貞観6年（864年）に従五位下を授かったという記録があります。また、延喜式には、粟井神社が讃岐国で唯一、名神祭に預かる社であったと記されています。かつては「刈田大明神」とも呼ばれており、この地域名「苅田郡」の由来になったとも言われています。

当初、神社は現在地から南に約600m離れた場所にありましたが、大同2年（807年）に焼失。その後、寛弘元年（1004年）に現在の場所に移されました。

戦国時代の出来事

室町時代、藤目山の山頂には藤目城が築かれていました。天正6年（1578年）には、長宗我部元親と地元の斎藤氏との間で争いが起こりました。斎藤氏は長宗我部氏に従っていましたが、後に阿波の三好氏に攻められ、藤目城は一時的に三好氏の支配下となりました。その後、長宗我部氏が再び藤目城を奪い返しましたが、この戦乱によって粟井神社も焼失したという説もありますが、詳細は不明です。

現在では、藤目城二の丸跡が御旅所とされ、昭和初期まで利用されていました。元和6年（1620年）には、生駒正俊によって神社が再建されました。明治12年（1879年）には県社に列せられ、平成13年（2001年）には現在の社殿が完成しました。

境内

境内には、本殿の他に以下の摂社があります。

杉尾神社: 元々この地に祀られていた神様で、本殿よりも少し高い場所に祀られています。
荒魂神社: 常次地区から遷座されました。
粟嶋神社: 母神山須賀神社から遷座されました。
地神社: 竹成地区から遷座された長細い石です。
厳島神社
稲荷神社
龍王神社
與禮神社
飛羅岐神社
藤目宮
天満宮

交通

JR予讃線観音寺駅から車で約15分です。

イベント

毎年6月には、「あじさい祭」が開催されます。祭では、大正琴や鼓笛パレード、粟井音頭、詩吟、腹踊り、和太鼓、金魚すくいなど様々な催しが行われ、多くの人々が訪れます。

周辺情報

神社の周辺には、以下の見どころがあります。

藤目山: 標高136.5mの山で、山頂には四国八十八ヶ所の写しがあります。
藤目城址: 室町時代に斎藤氏が居城としていた城の跡です。
藤目稲荷: 正一位藤目稲荷大明神を祀る神社です。
剣山神社: 剱山権現を祀る神社です。
藤目山不動院: 不動明王、千手観音を祀るお寺です。
* 粟井ダム: 粟井川にあるダムで、2002年に完成しました。

まとめ

粟井神社は、長い歴史と美しい自然に囲まれた神社です。特にアジサイが見頃の時期には多くの人が訪れ、その美しさを楽しんでいます。歴史好き、自然好き問わず楽しめる場所です。ぜひ一度、訪れてみてください。

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