粟島 (敷設艇)

日本海軍の艦艇 粟島

粟島（あわしま）は、日本海軍の敷設艇であり、神島型敷設艇の2番目の艦船です。初めは「第1802号艦」として仮称され、急速な完成が求められました。そのため、主機関にはマン式ディーゼルエンジンの在庫品が使用されましたが、戦争の終結に伴い未成艦となり、戦後に特別輸送艦として完成しました。

艦名の由来は、香川県善通寺市の北西部に位置する塩飽諸島の粟島にちなんでいます。また、海上自衛隊においては、うきしま型掃海艇「あわしま」として艦名が引き継がれており、こちらは元々日本海軍の哨戒特務艇「第138号」であったことが知られています。

艦歴

1945年2月20日に佐世保海軍工廠で起工され、同年の4月5日に艦名が粟島（アハシマ）と命名され、呉鎮守府を本籍としました。その後、6月18日に本籍が正式に呉鎮守府に定められ、7月26日には進水を行いましたが、8月17日に工事は90%の進捗率で中止され、工事は川南工業香焼島工場に引き継がれました。

1946年2月3日には佐世保地方復員局の下で特別輸送艦に指定され、4月18日に復員輸送艦として竣工しました。その後、12月15日には特別保管艦に指定され、1947年10月1日には特別輸送艦の指定が解除されました。在任艦長の下で青島でアメリカに引き渡され、10月7日には黄海にて実艦的に沈没処分が行われました。

艦の指揮

艦長には大久保平八郎大尉が1945年6月30日から8月20日まで艤装員長を務め、その後艤装員長は置かれなくなりました。1946年には河島義夫が第二復員官として艦長に就任し、その後も太田巍第二復員官や溝口智司復員事務官が艦の運営に関与しました。

同型艦について

同型艦には「神島」が存在しますが、まだ艦名は「第1807号艦」と仮称され、予定艦名は彦島として、未だ起工されていない状況です。

参考資料

多くの研究書や雑誌がこの艦の歴史に言及しており、特に片桐大自氏の著作や福井静夫氏が編集した資料が貴重な参考資料となります。また、歴史群像や日本造船学会が発行した書籍もこの艦に関する重要な情報源となっています。特に『聯合艦隊軍艦銘銘伝』や『日本海軍護衛艦艇史』などは、詳しい艦艇史が述べられているため、興味のある方にはぜひ読んでいただきたい内容です。

南方の戦局や艦艇の運命とともに、粟島は日本海軍の歴史に名を刻む艦の一つとして、現在も多くの人々に研究され続けています。

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