精霊伝説ヒューディー外伝 ローティスなあじゃ

精霊伝説ヒューディー外伝 ローティスなあじゃ

『精霊伝説ヒューディー外伝 ローティスなあじゃ』は、漫画家・大野安之（連載当時は「おおのやすゆき」名義）によって描かれたファンタジー作品です。エニックスが発行していた漫画雑誌『ガンガンファンタジー』で連載され、その内容はメディアワークスから単行本としてまとめられています。

作品の成り立ち

本作は、大野安之氏の別作品である『精霊伝説ヒューディー』の世界観を共有する外伝として位置づけられています。当初は、『精霊伝説ヒューディー』の主要キャラクターである精霊滸蝶・ヒューディーに関連する物語として構想されました。その源流となるのは、角川書店の『月刊コミックコンプ』に掲載された読み切り作品群です。具体的には、「精霊伝説ヒューディー外伝 星から来た子」（単行本収録時に「金環の樹」と改題）や、単行本には収録されなかった「精霊伝説ヒューディー外伝 ローティス・ナージャ」などが挙げられます。これらを基盤とし、新たに『ガンガンファンタジー』での連載版「ローティスなあじゃ」が展開されました。また、メディアワークス発行の『ガオ!増刊爆れつハンター』に掲載された「精霊伝説ヒューディー外伝 ローティスなーじゃ-石の竜-」（単行本収録時に「竜の石像」と改題）のエピソードも含まれています。

これらの作品を通じて、物語の中心人物は当初想定されていた精霊滸蝶・ヒューディーから、中国の伝説に登場する少年神・中壇元帥こと哪咤へと移り変わります。単行本に収録されるにあたり、旧作に登場したヒューディーは「仙女玲瓏・リンロン」と改名され、彼女が使う術の名前なども変更が加えられています。

登場人物

哪咤太子（なあじゃ）：本作の主人公。托塔王の六男であり、中壇元帥の位を持ちます。物語の中では小学生として描かれています。
あん・びりーばぶる：哪咤が下宿している「びりーばぶる亭」の女主人。中学生です。
もーりす：哪咤がロンドンで出会う友人。小学生。
玲瓏（リンロン）：仙女。単行本版で「ヒューディー」から改名されました。
摩蓉（まろーん）：哪咤の母親。彼女は哪咤を玲瓏に似せて創り出したとされています。
度厄真人：本来、哪咤の導師となる予定だった人物ですが、哪咤の指導を玲瓏に託します。
銘鈴（みんりん）：東海の竜神である東海竜王の第三子。
獨健太子：托塔王の第五王子。
普賢真人：獨健太子の導師を務める人物。
托塔王：哪咤や獨健太子の父。
妲己娘々の手下：物語に登場する敵対者。陀提と我提が確認されています。
須弥山の神将：作中に登場する神々の眷属。

書誌情報

本作の単行本は、メディアワークスのDengeki comics EXレーベルより刊行されました。

出版社: メディアワークス Dengeki comics EX
初版発行日: 1995年10月25日
* ISBN: 4-07-303806-0

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