紀元前393年

紀元前393年：世界を揺るがした出来事

紀元前393年は、ローマ、ギリシャ、マケドニア、エジプト、そして中国など、世界各地で重要な出来事が発生した年でした。ローマでは、ポプリコラとコルネリウスという二人の人物が共和政ローマの執政官に就任しました。この人事によって、ローマ政治にどのような変化がもたらされたのか、当時の記録を紐解く必要があり、今後の研究が待たれます。

一方、ギリシャでは、紀元前395年から続いているコリントス戦争が依然として激しく続いていました。この戦争は、スパルタを筆頭とするペロポネソス同盟と、アテナイを中心とする同盟国との間で起こった大規模な紛争でした。紀元前393年においては、アテナイの将軍コノンとペルシア帝国のサトラップであるファルナバゾス2世が協力し、ラコニア沿岸への攻撃やキュテーラ島の占領など、ペロポネソス同盟に対し幾つかの軍事行動を行いました。アテナイは、ペルシアからの支援を受けて、ピレウスへの長城の再建や、スキュロス島、イムブロス島、レムノス島などの征服を行い、アテナイの勢力圏を拡大しました。アテナイは、これらの島々にクレルキア（アテナイ市民が移住する植民都市）を建設し、軍事力と政治的影響力の強化を図ったのです。

コリントスにおいては、民主派と寡頭派の対立が激化し、内戦に発展しました。民主派はアルゴスの支援を受け、寡頭派を都市から追放することに成功しました。しかし、追放された寡頭派はスパルタに支援を求め、スパルタ軍はコリントスの港町レカエウムを急襲し占領、その後、敵軍を打ち破るという軍事行動に出ました。これらの出来事は、コリントス戦争の情勢をさらに複雑化させ、ギリシャ世界の混乱を深めました。

マケドニアでは、紀元前399年にアルケラオス1世が死去して以来続いていた混乱が、アミュンタス3世の即位によって一応の終止符を打たれました。アミュンタス3世は、アレクサンドロス1世の曾孫にあたります。彼の治世がマケドニアにどのような影響を与えたのか、今後の研究課題です。

エジプトでは、第29王朝のファラオ、ネフアアルド1世の死後、王位継承を巡って争いが起こりました。ネフアアルド1世の息子ムティスとプサムティスが王位を争いましたが、最終的にプサムティスが勝利しました。しかし、プサムティスの統治は長く続かず、同年にハコルという人物がプサムティスから王位を奪取しました。ハコルは、ネフアアルド1世の孫を自称していたとされています。エジプトにおける権力闘争は、常に国家の安定を脅かす大きな要因でした。

中国においても、紀元前393年は動乱の年でした。魏が鄭を攻撃し、晋では烈公が亡くなり、息子の孝公が即位しました。これらの出来事は、中国の春秋戦国時代における勢力争いの激しさを改めて示しています。

このように、紀元前393年は、世界各地で戦争や内乱、王位継承争いなど、様々な出来事が発生した動乱の年でした。これらの出来事は、それぞれの地域の歴史に大きな影響を与え、後の歴史の展開に繋がる重要な出来事であったと言えるでしょう。今後の研究によって、これらの出来事の背景や詳細、そしてそれらが後の歴史に与えた影響などが、より明らかになっていくことが期待されます。

もう一度検索