紀元前464年

紀元前464年：世界を揺るがせた出来事

紀元前464年は、ローマ、ギリシア、ペルシアなど、地中海世界において数々の重要な出来事が発生した年として歴史に刻まれています。ローマではレギッレンシスとフススが執政官に就任し、共和政ローマの政治が動きました。この年は、ローマ建国紀元290年にもあたります。西暦紀元が普及する以前は、この年の記述は執政官の名前を用いて行われていました。

ギリシア：スパルタ地震とメッシニアの反乱

この年、スパルタを襲った大地震は、甚大な被害をもたらし、多くの犠牲者を出しました。地震の混乱に乗じて、メッシニア地方の奴隷たちが大規模な反乱を起こしました。奴隷たちはイトメ山を要塞化し、スパルタ軍と対峙しました。スパルタ王アルキダモス2世は、この反乱鎮圧のため守備隊を編成せざるを得ませんでした。この反乱は、スパルタにとって大きな脅威となり、後の歴史にも影響を与えたでしょう。

ペルシア帝国：エジプト反乱と王位継承

ペルシア帝国では、クセルクセス1世の暗殺という大きな事件が発生しました。この隙を突いて、エジプトがペルシアへの反乱を起こしました。リビア人のイナロスが率いる反乱軍は、アテナイから支援を受け、デルタ地帯の支配権を握りました。一方、クセルクセス1世の後を継いでアルタクセルクセス1世が即位。新たな王の治世の下、ペルシア帝国はエジプト反乱という大きな課題に直面することになりました。

ローマ：プロコンスル制度の萌芽？

共和政ローマでは、この年に恐らく史上初めてプロコンスルが軍を率いたと考えられています。プロコンスルは、執政官の任期終了後に与えられる権限であり、この制度の確立は、後のローマ帝国の拡大に大きく貢献することになります。この時点では制度として確立されていなかったかもしれませんが、後に続くプロコンスル制度の萌芽と言えるでしょう。

その他の出来事

紀元前464年は、様々な地域で様々な出来事が起こりました。中国では、周、秦、晋、楚、斉、燕、趙など複数の諸侯国がそれぞれの歴史を刻んでいます。日本は孝昭天皇12年、朝鮮は檀紀1870年、ベトナムは仏滅紀元81年、ユダヤ暦は3297年から3298年にあたります。干支では丁丑でした。

ヘロドトスの誕生

この年は、後に『歴史』を著してギリシアの歴史に多大な貢献をした歴史家、ヘロドトスの誕生年でもあります。ヘロドトスの著作は、古代世界を理解する上で貴重な一次資料となっています。

まとめ

紀元前464年は、スパルタ地震とメッシニアの反乱、ペルシアにおけるエジプト反乱と王位継承、そしてローマにおけるプロコンスル制度の萌芽など、地中海世界において多くの重要な出来事が発生した年でした。これらの出来事は、後の歴史に大きな影響を与え、古代世界の情勢を大きく変えた転換期となりました。ヘロドトスの誕生も、この時代を特徴づける出来事の一つと言えるでしょう。

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