紀元前480年

紀元前480年：古代世界の激動

紀元前480年は、古代世界において複数の重要な出来事が発生した年として歴史に刻まれています。東西両地域で戦争が勃発し、政治的・軍事的な地殻変動が各地で見られました。この年を特徴づける出来事を、地域ごとに見ていきましょう。

ギリシア：ペルシア戦争の激化

この年は、ペルシア帝国のクセルクセス1世によるギリシア侵攻が本格化した年でした。第二次ペルシア戦争と呼ばれるこの戦争は、紀元前480年から紀元前479年にかけて展開されました。

まず、アルテミシオン沖でペルシア艦隊とギリシア艦隊が激突するアルテミシオンの海戦が起こりました。この海戦では、ペルシア軍が勝利を収めました。

続いて、テルモピュライの戦いでは、スパルタ王レオニダス1世率いる少数のギリシア軍が、圧倒的な数のペルシア軍に勇敢に抵抗しました。しかし、この戦いもペルシアの勝利に終わりました。レオニダス王は戦死し、ギリシアの歴史に名を残す英雄となりました。

しかし、ペルシアの勝利は長くは続きませんでした。サラミスの海戦で、ギリシアのポリス連合軍がペルシア艦隊を破り、大きな転換期を迎えました。この勝利は、ギリシアの独立にとって決定的なものとなりました。

イタリア：ローマの台頭

イタリア半島では、共和政ローマがウェイイという都市国家を攻撃、侵攻しました。これは、ローマの勢力拡大を示す重要な出来事でした。ローマは、この侵攻によってイタリア半島における支配力を強めました。

シチリア：シュラクサイの勝利

シチリア島では、シュラクサイの僭主ゲロンがカルタゴ軍をヒメラの戦いで破りました。この勝利は、シチリアにおけるギリシア勢力の維持に貢献しました。

中国：諸侯間の争い

中国では、諸侯国間の争いが絶えませんでした。楚の子西と子期が呉に攻め入ったり、鄭が宋を攻撃したり、魯と斉が講和したりと、様々な出来事が発生しました。晋の趙鞅による衛への侵攻や、衛の反乱に巻き込まれた孔子の弟子である子路の殺害なども記録されています。衛の荘公は、孔悝によって擁立されました。

著名な人物の誕生と死

この年には、著名な人物の誕生と死も記録されています。

誕生：

アンティポン（弁論家）
エウリピデス（悲劇詩人）

死去：

レオニダス1世（スパルタ王）
子路（儒学者）

紀元前480年は、東西両地域で戦争や政治的争いが激しく、古代世界における大きな転換期の一つでした。この年の出来事は、後の歴史に大きな影響を与えたと言えるでしょう。様々な出来事が複雑に絡み合い、古代世界のダイナミックな変化を反映しています。それぞれの出来事の背景や影響を深く理解することで、古代世界の姿をより鮮やかに描くことができるでしょう。

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