紀元前8千年紀

紀元前8千年紀について

紀元前8千年紀（きげんぜんはっせんねんき）は、西暦紀元前8000年から紀元前7001年までの約1000年間を指します。この時期は、人類の歴史において重要な転換点であり、約9000年から1万年前の時代にあたります。具体的には、中東地域では農耕が急速に普及し、新石器時代へと移行する時代です。また、ヨーロッパでは中石器時代が続いており、細石器の文化が栄えていました。

時代の特徴

この時代では、農耕の広まりとともに定住生活が増え、様々な文明が育まれました。特に中東では、農業の発展により、集落が形成され、社会構造が変化しました。一方で、ヨーロッパでは中石器の技術が続き、特に細石器の技術が普及しました。

主な出来事

紀元前8000年頃

この頃、西アジアから西ヨーロッパ、北アフリカ、エーゲ海地域にかけて細石器が広まりました。フランスのトゥールーズ近郊に位置するマス・ダジール遺跡では、アージル文化の中石器時代の栄えが見て取れます。また、イスラエルのテル・エッ・スルタン遺跡では「エリコの塔」が建設され、この地域の重要な遺産となりました。

日本では、縄文時代の初期にあたるこの時期に、隆起線文土器、爪形文土器、無紋土器などが製作されました。加えて、局部磨製石斧や女性像を線刻した小礫が作られ、これらは愛媛県上黒岩岩陰遺跡から発見されています。

紀元前7550年頃

この時期に、オウシュウトウヒの一個体であるOld Tjikkoが発芽したとされ、世界で最も長寿の樹木として知られています。

紀元前7500年頃

中国の長江流域では彭頭山文化が始まり、千葉県の西之城貝塚や神奈川県の夏島貝塚が築かれました。これらの貝塚から発見された土器の年代を調べることにより、最も古い時期の貝塚と特定されています。また、アナトリア半島南部のコンヤ平原にあるチャタル・ヒュユク遺跡もこの時期に築かれました。さらに、キプロス島ではシロウロカンボス遺跡から最古の飼い猫が埋葬される発見がありました。

発明・発見

この時代の特徴的な発明の一つは、西アジアにおける家畜の飼育です。特にヒツジ、ヤギ、ブタがこの時期に飼われ始め、それに伴い、農業技術も進化しました。また、南アメリカではキャッサバの栽培が始まっています。

このように、紀元前8千年紀は農耕の発展、文化の形成、社会の変革が進む重要な時代であり、現在の文明に繋がる基盤が築かれた時期と言えるでしょう。

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