紀州レンジャーズ

紀州レンジャーズ：和歌山を彩った独立リーグ球団の軌跡

紀州レンジャーズは、2008年に和歌山県で誕生した野球チームです。当初はクラブチームとして活動を開始し、2009年から2013年まで関西独立リーグに所属していました。リーグ発足当初から参加していた唯一のチームでしたが、他球団との運営方針の違いからリーグを脱退。その後、チームは活動を休止しました。

チームの概要

2008年、将来的な独立リーグへの参入を見据えてクラブチームとして産声を上げた紀州レンジャーズ。運営母体は株式会社として発足しましたが、後にNPO法人へと変更されました。

チーム名は、和歌山県のローカルヒーロー「紀ノ國戦隊紀州レンジャー」に由来しています。ホーム球場は和歌山県営紀三井寺野球場でしたが、その他にも田辺市立市民球場（現在は閉鎖）、御坊総合公園野球場など、県内各地の球場を転戦していました。

設立の背景

チーム設立の中心人物は、有田市出身で元プロ野球選手の木村竹志氏（旧名：石井毅）です。木村氏が理事長を務める和歌山野球振興協会・夢クラブをはじめとする県内のNPO法人が設立準備委員会を組織し、チーム設立の構想を発表しました。

当初、チームは関西独立リーグ構想が明らかになる前だったため、四国・九州アイランドリーグやベースボール・チャレンジ・リーグ（BCリーグ）への加入も視野に入れていました。2008年6月には運営会社となる株式会社紀州レンジャーズが設立され、チーム運営体制が整いました。

歴史

紀州レンジャーズは、関西独立リーグ発足と同時にリーグに加盟しました。しかし、リーグの経営危機や三重スリーアローズの離脱など、運営が困難な状況に直面。その後、兵庫ブルーサンダーズが既存の高校・大学野球部の枠にとらわれない選手育成を目指したことに対し、紀州レンジャーズの木村氏が反発。その結果、全チームがリーグから脱退し、リーグは解散することとなりました。紀州レンジャーズは、リーグに全期間所属した唯一のチームです。

その後、兵庫と06BULLSが設立したBASEBALL FIRST LEAGUE（現・さわかみ関西独立リーグ）には、2017年から田辺市を本拠地とする和歌山ファイティングバーズ（現・和歌山ウェイブス）が参入しています。

年表

2007年12月3日：木村竹志氏らがチーム構想を発表
2008年1月9日：第1回セレクションを実施
2008年2月9日：第2回セレクションを実施、合計24名が合格
2008年3月6日：関西独立リーグ構想発表、紀州レンジャーズ加盟決定
2008年3月29日：BCリーグの富山サンダーバーズと初の対外試合（2-8で敗戦）
2008年6月5日：関西独立リーグ記者会見で役員体制発表
2008年11月16日：リーグドラフト会議で12名を指名
2008年11月25日：藤田平氏が監督に就任
2009年2月20日：竹下正造取締役兼任GMが神戸9クルーズへ移籍
2009年3月28日：関西独立リーグ公式戦初戦
2009年12月4日：木村代表が監督に復帰
2010年6月17日：経営難のため選手の給料を全額カット
2010年9月19日：後期優勝
2011年7月17日：サマーカップ準優勝
2012年7月24日：サマーカップ優勝
2013年12月12日：関西独立リーグ脱退を発表
2014年3月11日：活動休止を発表
2017年3月31日：運営母体が活動停止

チーム成績

紀州レンジャーズは、関西独立リーグにおいて以下の成績を残しました。

リーグ戦

リーグチャンピオンシップ

2010年：0勝2敗（対神戸9クルーズ）

カップ戦

スプリングカップ：2011年 4位
* サマーカップ：2011年 準優勝、2012年 優勝

スタッフと選手

（詳細については割愛します）

観客動員数

2009年の観客動員数は15,412人（1試合平均428人）とリーグ最少でしたが、2010年には8,444人（1試合平均248人）と減少したものの、リーグトップとなりました。最多観客動員記録は、2010年9月19日の明石戦で2027人でした。

関西独立リーグ発足以前

クラブチーム時代には、社会人クラブチームや独立リーグのチームと練習試合を行っていました。2008年7月2日には、徳島インディゴソックスに勝利し、独立リーグのチームから初めて勝ち星を挙げました。

マスコット

公式キャラクターは、和歌山県のローカルヒーロー「紀ノ國戦隊紀州レンジャー」。この他に、紀州犬をモチーフとした非公式マスコットも存在しました。

まとめ

紀州レンジャーズは、和歌山県民に愛された独立リーグの球団でした。リーグの中心的な存在でしたが、運営方針の違いから解散に至りました。チームの歴史は短かったものの、多くの人々に感動と興奮を与えてくれました。

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