紀淡海峡

紀淡海峡（きたんかいきょう）について

紀淡海峡は、本州の紀伊半島と淡路島の間に位置する重要な海峡です。この海峡は、友ヶ島水道とも呼ばれており、具体的には和歌山県和歌山市の加太にある田倉崎と、兵庫県洲本市由良町の生石鼻を結ぶ水域を指します。紀淡海峡の北側は大阪湾に接しており、南側は紀伊水道に開かれています。

海峡の地理的特性

紀淡海峡の幅は、田倉崎と生石鼻の間で約10キロメートルですが、由良側には成ヶ島という砂州があるため、少し狭くなっています。さらに、加太近くには友ヶ島（地ノ島・沖ノ島）が位置し、この島々の存在によって海峡はさらに細長く分かれています。

この海峡は、以下の3つの瀬戸に分かれています：

• - 加太瀬戸: 幅約800メートル
• - 中ノ瀬戸: 幅約500メートル
• - 由良瀬戸: 幅は4.7キロメートルありますが、可航幅は水深20メートル以上の場合で2.8キロメートルとなります。

特に、由良瀬戸は主な航路として利用されています。この部分は、友ヶ島水道とも呼ばれ、海流が非常に強く、最大流速は約3.6ノットに達します。このため、海流の動きは漁業にも影響を及ぼしており、マダイなどが豊富に捕れる好漁場となっています。

歴史的背景と交通

紀淡海峡での定期航路は1899年から始まり、洲本市の由良港と和歌山市の加太港の間で旅客船が運航されました。この海域の北側に位置する大阪湾では、1949年から1999年まで兵庫県洲本市と大阪府岬町を結ぶ定期航路「洲本 - 深日航路」が存在しました。その後、2017年にはこの航路の復活に向けた社会実験が行われ、「深日洲本ライナー」として再運航されています。

紀淡海峡鉄道トンネル構想

紀淡海峡を経由する鉄道の構想も存在します。具体的には、紀淡連絡道路及び大鳴門橋への鉄道トンネルの計画です。これは大阪から紀淡海峡を通って淡路島、そして四国へと新幹線を開通させることを目的とした四国新幹線構想の一環です。大鳴門橋は新幹線が通過できるように設計されていますが、紀淡海峡のトンネルについては費用や需要面での課題から、実現の見通しは立っていません。

まとめ

紀淡海峡は地理的に重要な位置を占めており、漁業や交通の面からも注目されるポイントです。今後の交通計画が進むことで、この地域のさらなる発展が期待されます。

もう一度検索