紅児会

紅児会（こうじかい）について

紅児会は明治時代の約1898年に設立された日本画家の研究団体です。この団体は、主に大和絵系の日本画家によって構成されており、彼らの活動は当時の画壇に新しい風を吹き込むこととなりました。

設立の経緯

紅児会の始まりは、小堀鞆音の門下生である安田靫彦、磯田長秋、小山栄達の3名によって結成された「紫紅会」にさかのぼります。彼らは1898年頃にこの団体を立ち上げ、1900年には松本楓湖の門下から今村紫紅が参加することにより、団体名を「紅児会」に改名しました。この改名は、団体の活動の充実化と新たな技法や表現を求める意志を示すものでした。

展覧会の開催

紅児会はその後、1902年7月に東京の日本橋常盤木倶楽部で第1回展を実施し、以降も定期的に展覧会を行いました。この第1回展には、当時の新鋭画家である小林古径や前田青邨、速水御舟（当時は禾湖として知られていました）などが次々に参加しました。このような著名な画家たちが集うことで、紅児会は意欲的な研究活動を行い、独自の歴史画を中心とした作品を発表し続けました。

活動の成果と影響

紅児会の活動は多くの支持を受け、画壇にとって新たな潮流となりました。歴史画を主題にした作品を通じて、日本の伝統的な美術に対する新しい視点を提供しました。特に、描写技術や色彩感覚において高い評価を得ることができ、会員はその後、多くの美術展やコンペティションで成功を収めました。

解散とその後

しかし、1913年8月、安田靫彦の提案により、紅児会は第19回展を最後に解散する運びとなりました。その活動は盛況なものでありましたが、団体としての役割を果たし終えた結果となりました。解散後、多くの元会員は再興された日本美術院に参加し、その中心的な画家として新たな道を歩むことになります。これにより、紅児会の影響はその後も続き、日本美術界において重要な位置づけを保ち続けました。

会員について

紅児会の会員には、安田靫彦をはじめ、石井林響（石井天風）、中村岳陵、荒井寛方、長野草風、田中咄哉州といった著名な画家たちも在籍しており、それぞれが活躍する場を広げていきました。彼らの作品は、後の日本美術に多大な影響を及ぼすこととなります。

紅児会は、明治期における日本の美術の発展に寄与した重要な団体であり、その存在は現代においてもなお引き継がれています。

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