紅斑

紅斑（こうはん、英: erythema）は、皮膚の毛細血管が拡張することで、皮膚表面に赤み（発赤）を伴う状態を指します。この赤みは、患部を圧迫すると一時的に消失するのが特徴です。通常、皮膚温度の上昇は見られませんが、より深部の動脈拡張が合併している場合には、皮膚温が上昇することがあります。

紅斑の原因

紅斑を引き起こす原因は多岐にわたります。主な原因としては、以下のものが挙げられます。

感染症: 細菌やウイルスによる感染が、紅斑の原因となることがあります。
物理的刺激: マッサージや電気的処理、毛のワックス処理や引き抜きなどが、皮膚への刺激となり紅斑を引き起こすことがあります。
炎症: ニキビなどの炎症性疾患が、周囲の毛細血管を拡張させ、紅斑として現れることがあります。
アレルギー: 特定の物質に対するアレルギー反応が、皮膚に炎症を起こし、紅斑を伴うことがあります。
その他: 運動、太陽放射（日焼け）、皮膚の放射線症候群なども紅斑の原因となることがあります。

特に、電離放射線療法は、紅斑の典型的な副作用として知られています。

しかし、約30〜50%の症例では、紅斑の明確な原因を特定することが難しいとされています。

鑑別診断

紅斑と類似した症状を示す疾患との鑑別が重要です。特に、以下の2つの症状との鑑別が重要になります。

紫斑: 皮膚内部の出血によって生じる紫色の斑点です。
色素沈着: メラニン色素の沈着によって生じる色の変化です。

紅斑は圧迫によって赤みが消失するのに対し、紫斑や色素沈着は圧迫しても色が消えない点が鑑別点となります。

関連症状

紅斑と関連する症状としては、以下のようなものがあります。

温熱性紅斑
バザン硬結性紅斑
伝染性紅斑
有縁性紅斑
遊走性紅斑
多形紅斑
結節性紅斑
中毒性紅斑
手掌紅斑

これらの症状は、紅斑の原因や病態によって現れ方が異なります。

紅斑は、原因を特定し、適切な治療を行うことで改善が期待できます。皮膚に異常を感じた場合は、自己判断せずに専門医の診察を受けることが重要です。

関連項目

斑
顔面紅潮
皮疹（発疹）
放射線療法

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