紋別港沖第八北幸丸衝突転覆事故

紋別港沖第八北幸丸衝突転覆事故

2021年5月26日午前6時頃、オホーツク海、紋別港の北東約23km沖合で、痛ましい海難事故が発生しました。この事故は、北海道紋別市の紋別漁業協同組合に所属する漁船「第八北幸丸」と、ロシア・サハリン州ネベリスク船籍の貨物船「アムール」が衝突したことによって起きました。

第八北幸丸は、当時ケガニ漁のために停止して操業中でした。一方、アムールはサハリン島から紋別港へ向かって航行していました。この二隻が衝突した結果、第八北幸丸は転覆という重大な事態に見舞われました。

事故発生時、第八北幸丸には5人の乗組員がいました。幸いにも全員がアムールによって救助されましたが、残念なことに、機関長1名と甲板員2名がこの事故で命を落とされました。

この事故の責任を問うため、旭川地方検察庁は同年6月28日、アムールの当直責任者と第八北幸丸の船長を業務上過失致死罪および過失往来危険罪で起訴しました。刑事裁判では、それぞれの責任が厳しく追求されました。

旭川地方裁判所は、2022年11月30日にまず第八北幸丸の船長に対し、禁錮3年、執行猶予5年の判決を言い渡しました。さらに、2023年4月27日には、アムールの当直責任者にも同様に禁錮3年、執行猶予5年の判決が下されました。しかし、アムールの当直責任者はこの判決を不服とし、控訴しました。

札幌高等裁判所は、2023年11月21日、一審判決を支持し、アムールの当直責任者からの控訴を棄却しました。これにより、両者の執行猶予付き禁錮刑が確定しました。

この事故は、漁業関係者にとって、海上での安全対策の重要性を再認識させる出来事となりました。

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