紋別港

紋別港について

紋別港は、北海道紋別市に位置する港湾で、オホーツク海沿岸のほぼ中央にあります。港湾管理者は紋別市であり、港湾法上の「重要港湾」に指定されています。自然の地形を活かした立地で、北部には弁天岬の岩礁、後背には紋別山が連なり、古くから漁業の拠点として利用されてきました。

概要

戦後の港湾整備を経て、紋別港は遠紋地区や上川北部の物流拠点として、また沖合・沿岸漁業の基地としての役割を担うようになりました。さらに、市民の憩いの場として、親水防波堤（クリオネプロムナード）や氷海展望塔（オホーツクタワー）、人工海水浴場（オホーツクホワイトビーチ）などが整備されています。これらの施設は、流氷観光の拠点としてだけでなく、「もんべつ流氷まつり」や「遊びたガリヤフェスティバル」、「もんべつ海産まつり」など、各種イベントの会場としても活用されています。

港湾施設

紋別港には、以下のような外郭施設や係留施設、荷さばき保管施設があります。

外郭施設

北防波堤
北副防波堤
第1防波堤
第2防波堤
第3防波堤
弁天防波堤
船溜北堤
船溜南堤
第2船溜防波堤
第3船溜防波堤
港南防波堤
第5船溜波除堤
北波除堤
防砂堤

係留施設

大型係船岸壁
弁天岸壁
第1ふ頭南岸壁
第1ふ頭東岸壁
第2ふ頭北岸壁
第2ふ頭東岸壁
第2ふ頭南岸壁
港南岸壁
第3ふ頭南岸壁
第3ふ頭北岸壁

荷さばき保管施設

第1ふ頭
1号上屋
2号上屋
第2船溜西岸壁
倉庫

官公署

紋別市役所
函館税関釧路税関支署紋別出張所
小樽検疫所紋別出張所
第一管区海上保安本部紋別海上保安部
北海道開発局網走開発建設部紋別港湾事務所
オホーツク総合振興局網走建設管理部紋別出張所
北海道立総合研究機構水産研究本部網走水産試験場加工利用部
紋別警察署

沿革

紋別港の歴史は、江戸時代の貞享年間に松前藩が現在の紋別を「ソウヤ場所」の一部として開設したことに始まります。記録に残る最初の記述は、1801年の磯谷則吉による『蝦夷道中記』です。1846年には松浦武四郎が紋別を訪れ、その地形が船の停泊に適していると記録しました。

1871年には松本十郎が紋別港築港の必要性を提唱しましたが、当時は沖合に暗礁が広がっており、船舶の航行には危険が伴いました。1876年に紋別に郵便局が設置されたことで定期郵便船が寄港するようになりましたが、暗礁と流氷のため大型船の入港は困難でした。1906年には紋別築港運動が起こり、1922年の暴風雨による漁船の転覆事故を契機に、1923年から本格的な港湾建設が始まりました。1930年度には港湾建設が完成し、1931年には北防波堤灯台が設置されました。これにより、紋別港は北九州や北千島と本州を結ぶ物資の中継港として発展しました。

戦後、紋別港は漁業の拡大と商港としての機能強化を目指し、整備が進められました。1955年の北洋漁業再開後は、カムチャツカ独航船の中継基地となり、船入澗や防波堤の増設が進められました。1975年には現在の第1ふ頭を含む港町地区の整備が完了し、重要港湾に昇格しました。その後、新港町地区（現在の第2ふ頭）の整備や、流氷を利用した観光開発も進められています。

年表

1923年：紋別港修築工事着手
1948年：港則法による「港域」指定
1953年：紋別港港湾管理者設立
1975年：「重要港湾」指定
1977年：植物防疫法による「特定港」指定
1978年：出入国管理令による「出入国管理港」指定
1980年：関税法による「開港」指定
1987年：流氷砕氷船「ガリンコ号」就航
1994年：「保税蔵置場」指定
1996年：親水防波堤「クリオネプロムナード」、氷海展望塔「オホーツクタワー」オープン
1999年：植物防疫法による「輸入指定港」指定、「オホーツクホワイトビーチ」オープン、「オホーツクとっかりセンター」（ゴマちゃんランド）オープン
2000年：油回収船「清龍丸」外洋公開訓練実施
2002年：第3ふ頭-12 m岸壁供用開始
2009年：第1船溜地区防風施設完成
2014年：「みなとオアシス」（みなとオアシス紋別）登録
2016年：紋別市海洋交流館が「海の駅」登録

参考資料

紋別港 (PDF) - 北海道開発局網走開発建設部

関連項目

日本の港湾一覧#北海道
北海道立オホーツク流氷科学センター「GIZA」（道の駅オホーツク紋別）
紋別バイオマス発電所

外部リンク

紋別港 - 紋別市
* 紋別港 - 国土交通省北海道開発局

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