納戸徳重

納戸徳重の業績と生涯

納戸徳重（のと とくしげ、1902年1月24日 - 1991年1月4日）は、日本の陸上競技界において偉大な実績を残した短距離・中距離走の選手であり、陸上競技の振興に大きな貢献をした人物です。彼は特に1924年のパリオリンピックに出場し、日本の陸上競技史に名を刻むこととなります。

幼少期からのスポーツへの関心

福岡県三潴郡城島町（現在の久留米市）で生まれた納戸は、幼少期から積極的に体を動かして遊んでいました。筑後川やクリークを泳ぐことが日課であり、地元の中学校に進学する際には、野球部やテニス部、歩道部、剣道部など、多くのスポーツで活動をしていました。彼の運動能力は、同校の体育の大会などでも際立っていたと伝えられています。

東京高等師範学校での成長

その後、東京高等師範学校に進学し、体育科に入ります。在学中には陸上競技に身を投じ、指導者としての基礎を築きました。ここで出会った野口源三郎や先輩の金栗四三といった著名な陸上選手から多くを学んだ彼は、次第に自身の競技能力を高めていきました。特に1922年から1925年にかけては、日本[[陸上競技選手権大会]]の400メートル競走で三連覇を達成し、800メートルでも1923年に優勝しています。

オリンピック出場と記録更新

1923年には400メートルおよび800メートルの日本記録をそれぞれ更新し、特に1924年には男子800メートルの日本記録を2分00秒4にまで引き上げました。同年のパリオリンピックでは、男子400メートル、男子800メートル、男子十種競技に出場し、オリンピックの1大会で最多11種目に挑んだ記録を持つ選手となりました。また、明治神宮競技大会では選手総代として選手宣誓も務め、その存在感は一層増していきました。

陸上競技振興への貢献

1926年に大学を卒業した後、福岡日日新聞社（現西日本新聞社）に勤め、その後の1927年にはスポーツ担当記者として活動を開始しました。彼は九州のスポーツ振興に積極的に関与し、特に1952年においては、金栗四三と共に九州一周駅伝の創設に尽力し、その後の63回の開催に寄与しました。この駅伝の成功により九州は「駅伝王国」と称され、納戸の功績は評価されています。

教育者としての役割

また、1968年から1976年まで福岡大学の教授として学生たちの指導にもあたりました。彼の教育者としてのキャリアは、陸上競技の発展に寄与し続けることとなります。1982年には勲四等瑞宝章を受章し、彼の功績が社会に認められました。

死去とその後

1991年1月4日、心不全により亡くなりましたが、彼の影響は今なお多くの人々に引き継がれています。1976年からは福岡県久留米市で「納戸記念久留米陸上競技大会」が開催されており、彼の業績を称える機会が設けられています。

納戸徳重の生涯は、日本の陸上競技における先駆者としての道筋を示し、今も多くのアスリートたちの刺激となっています。

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