納沙布岬灯台

納沙布岬灯台

納沙布岬灯台（のさっぷみさきとうだい）は、北海道根室市にある納沙布岬の最先端に建つ美しい白亜の塔形灯台です。この灯台は日本の最東端に位置し、北方領土や南鳥島を除くと、日本の最も東にある灯台として知られています。特に、この灯台は「日本の灯台50選」にも選ばれ、さらに土木学会が選ぶ土木遺産にも認定されています。周辺には北方四島や知床半島を一望できる美しい風景が広がっており、訪れる人々にとって魅力的な観光スポットとなっています。

この灯台の設計を手掛けたのは、かの「灯台の父」と称されるリチャード・ヘンリー・ブラントンです。彼が設計した八角形の木造構造は、北海道における洋式灯台としては最初のものであり、そのそのデザインは地域の景観に美しく溶け込んでいます。特に、納沙布岬灯台の周辺には多くの暗礁や浅瀬が広がっているため、航海には非常に危険な場所であり、灯台の設置が長年にわたって求められてきました。

歴史的な沿革

1872年8月15日に初めて灯台が点灯され、以来長い歴史を築いてきました。1878年には霧鐘が設置され、1889年には灯火の色が一部変更されるなど、時を経てさまざまな改良が加えられました。1908年には霧笛が新たに設置され、霧鐘は撤去されました。1930年には現在のコンクリート造の灯台へと改築され、その後は灯質の変更が行われるなど、進化を続けています。

1980年代から1990年代にかけて、灯台の自動化が進み、1998年には完全に無人化されました。また、2009年には無線方位信号所（レーマークビーコン）が廃止され、2011年には霧信号所も廃止されるなど、技術の進化に伴い役割が変わっていきました。そして、2025年には土木学会の選奨土木遺産に認定され、再びその重要性が評価されています。

アクセス方法

納沙布岬灯台へのアクセスは、JR花咲線の根室駅から根室交通バスを利用するのが一般的です。根室駅前ターミナルからバスに乗れば、約44分で到着します。運賃は片道1,090円ですが、往復乗車券や1日フリー乗車券もお得に利用可能で、小人や障がい者には割引が適用されます。ドライブする際は、北海道道35号根室半島線を利用することもできます。

このように納沙布岬灯台は、歴史と風光明媚な景観を持つ重要な施設として、訪れる人々に感動と学びを与えてくれるスポットです。その美しい姿は、多くの人々に愛され続けています。

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