素盞嗚神社 (福山市新市町戸手)

素盞嗚神社について

素盞嗚神社（すさのおじんじゃ）は、広島県福山市新市町に存在する重要な神社であり、古くから信仰の対象とされてきました。この神社は式内社であり、備後国の一宮としての地位を誇ります。歴史的な背景として、素盞嗚尊（すさのをのみこと）を主祭神とし、彼の妃である稲田姫命や子神の八王子も祀られています。

歴史的背景

社伝によれば、この神社の創建は天武天皇の時代、7世紀の中頃とされており、具体的には679年頃とされています。その後、遣唐使だった吉備真備が唐から帰国した際、734年には備後地区から素盞嗚尊を播磨地区の広峯神社へと勧請しました。また、文献によると当社は「疫隈國社」とも称され、興味深い伝説が見られます。『釈日本紀』や『延喜式神名帳』にもその名が記されており、地域における重要性を示しています。

神社はかつて神仏習合の影響を受け、牛頭天王を祭神とするようになり、真言系の別当寺である早苗山天竜院天王寺が設立されました。その本堂には観世音菩薩が祀られていましたが、牛頭天王との関連は今でも謎が残っています。

境内の特徴

素盞嗚神社の境内には、入母屋造りの本殿が存在します。これは備後福山藩の初代藩主である水野勝成によって再建されたと伝えられています。本殿の屋根は特異な形状をしており、大社造りに似たほぼ正方形の平面を持っています。拝殿と本殿の間には幣殿も設けられており、更に境内には「鳴き龍」という珍しい構造物もあります。これは日本の中でも限られた数しか見られない貴重な存在です。

また、境内にはかつての神木「神代之杉」があったことが伝えられており、現在は石碑が残っています。さらに、相方城の名残として築かれた城門もあり、これは戦国時代に築かれた山城からの遺構です。

主な祭事と現地情報

素盞嗚神社では特に「祇園祭」が有名であり、毎年7月に行われます。この祭りは地域の氏子たちによって行われ、戸手と相方地区を中心に3基の神輿が参加し、賑やかな神輿合わせが展開されます。

神社の所在地は広島県福山市新市町大字戸手に位置し、アクセスにはJR福塩線の上戸手駅から徒歩3分、または福山駅からバスを利用する方法があります。ただし、祇園祭の最終日には交通規制があるため、事前に確認が必要です。

このように、素盞嗚神社は歴史と文化の魅力を持つ神社として、多くの人々に親しまれています。

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