紫の証

『紫の証』（原題：Purpendicular）は、ディープ・パープルが1996年に発表した15枚目のスタジオ・アルバムです。1994年に加入したギタリスト、スティーヴ・モーズが初めて参加した作品として知られています。

アルバムタイトルは、"purple"（紫）と"perpendicular"（垂直）を組み合わせた造語で、その音楽性の変化を示唆しています。

音楽性の変化

リッチー・ブラックモアの脱退は、バンドのサウンドに大きな影響を与えました。本作では、従来のハード・ロックの要素が後退し、フュージョン的なアプローチが取り入れられています。ロックンロールを基盤としながらも、新たな音楽性を追求した意欲作と言えるでしょう。この変化は、その後のディープ・パープルの音楽的方向性にも影響を与え、2002年にジョン・ロードが脱退するまで、このメンバーで活動を続けることになります。

批評家の評価

音楽評論家のGlen Millerは、allmusic.comで「バンドの始まりから28年目にして、ディープ・パープルは彼らの伝説的なキャリアの中で最も冒険的なアルバムに挑戦した」と評価しています。この評価は、本作がバンドにとって新たな挑戦であったことを示しています。

チャートの動向

1984年の第2期メンバーによる再結成後、5作目のスタジオ・アルバムである本作は、全英アルバムチャートで初めてトップ50入りを逃しました。しかし、フィンランドのアルバム・チャートでは2週連続でトップ10入りを果たし、合計10週にわたってトップ40入りするなど、地域によって評価が分かれる結果となりました。

日本盤について

日本盤CDには、13トラック目に無音トラックが挿入され、14トラック目にボーナス・トラック「ドント・ホールド・ユア・ブレス」が収録されています。

収録曲

全曲とも、イアン・ギラン、スティーヴ・モーズ、ジョン・ロード、ロジャー・グローヴァー、イアン・ペイスの共作です。

1. ヴァヴーム：テッド・ザ・メカニック - Vavoom: Ted the Mechanic
2. ルースン・マイ・ストリングス - Loosen My Strings
3. スーン・フォーゴットゥン - Soon Forgotten
4. サムタイムズ・アイ・フィール・ライク・スクリーミング - Sometimes I Feel Like Screaming
5. カスケイズ：アイム・ノット・ユア・ラヴァー - Cascades: I'm Not Your Lover
6. ジ・エイヴィエイター - The Aviator
7. ローザズ・カンティーナ - Rosa's Cantina
8. キャッスル・フル・オブ・ラスカルズ - A Castle Full of Rascals
9. タッチ・アウェイ - A Touch Away
10. ヘイ・シスコ - Hey Cisco
11. サムバディ・ストール・マイ・ギター - Somebody Stole My Guitar
12. ザ・パーペンディキュラー・ワルツ - The Purpendicular Waltz
13. (無音トラック)
14. ドント・ホールド・ユア・ブレス (日本盤ボーナス・トラック)

参加ミュージシャン

イアン・ギラン - ボーカル、ハーモニカ
スティーヴ・モーズ - ギター
ジョン・ロード - オルガン、キーボード
ロジャー・グローヴァー - ベース
* イアン・ペイス - ドラムス

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