細谷雄二

細谷雄二について

細谷雄二（ほそや ゆうじ、生年1897年9月14日 - 没年1967年3月30日）は、日本の著名な生理学者であり、大学教授として特に知られています。また、彼は俳人としても活動し、アララギ派に属していました。彼の医学界での貢献は計り知れませんが、同時に文学の世界でもその名を残しています。

経歴

細谷は山形県西村山郡谷地町に生まれ、若いころからその才覚を発揮しました。1923年には東北帝国大学医学部を卒業し、その後すぐに助教授として同大学に着任します。1928年には「眼の光生理学的補遺」という学位論文を提出し、医学博士の称号を取得しました。

1932年、彼は文部省の在外研究員としてドイツに留学しました。帰国後は1936年から台北帝国大学の教授として生理学の講座を担当し、その後も中華民国の国立台湾大学で教務や診療に従事します。1949年には大阪市立医科大学の教授に就任し、1953年から1957年まで学長を務めました。さらに、医学部長としての役割も果たし、その後は大阪女子短期大学の教授として活躍しました。

1967年、脳出血により66歳で亡くなるまで、教育と研究に情熱を注ぎ続けました。彼の死後、従三位及び勲二等瑞宝章を与えられ、業績の高さが評価されました。

研究内容と業績

細谷は生理学の分野で世界的に重要な業績を残しました。特に1937年には、嗅粘膜の生理的メカニズムを電気信号として捉えた研究に成功し、共同研究者である吉田甫と共に論文『嗅粘膜の生物電気現象について』を発表します。

また、カエルやカメから感光物質を発見し、ヘルムホルツの三色学説に化学的基盤を与えるという研究も行いました。視紅（Rhodopsin）については、それが複合蛋白質であり、リン脂質が補欠分子簇であると提唱しました。このようにして、彼の研究は生理学の発展に寄与し続けています。

文学活動

細谷は生理学者である一方で、アララギ派の歌人としても知られています。台北帝国大学医学部の部歌を作詞したほか、歌集『川二つ』を初音書房から発表しました。彼の詩は、深い感情と自然への愛情が表現されています。

有名な作品には次のようなものがあります。

• - 「朝ごとの水霜に枯るる庭の木下り来て百舌のあまた啼かぬも」
• - 「疲れつつ夜の教室にまどろみて貧しく果てし父の夢みし」

これらの詩は、彼の豊かな感性を反映した作品です。

家族と親族

細谷の家族もまた、様々な分野で活躍をしています。長兄の細谷雄太は同じく医学博士であり、俳人としても有名です。息子の細谷洋一は、産経新聞の編集局長を務め、また日本工業新聞社の社長も歴任しました。さらに、義弟にはソニー名誉会長の井深大がいます。

細谷雄二の生涯は、科学と文学両方の世界で多大な影響を与え続けており、彼の功績は今なお敬意を持って振り返られています。

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