経机

経机（きょうつくえ）は、主に読経を行う際に経典を置いて使用される机です。寺院の本堂や個人の家の仏壇の前に設置されることが一般的で、仏具の一種として重要な役割を果たします。

材質と塗色

経机には、黒または朱色の漆塗りが施されたものと、唐木（からき）で作られたものがあります。漆塗りのものは、その光沢と深みのある色彩が特徴で、格式高い印象を与えます。一方、唐木のものは、木目の美しさを生かした自然な風合いが魅力です。葬儀の際には、祭壇や中陰壇（ちゅういんだん）の前に、白木の経机が用いられるのが一般的です。これは、白木が持つ清浄なイメージが、故人を偲ぶ場にふさわしいと考えられているためです。

経机の機能

経机は本来、経典を置いて読むためのものですが、一般家庭の仏壇の前では、花立、香炉、火立、鈴などの仏具を置く台として使用されることが多いです。経典だけでなく、様々な仏具をまとめて配置することで、仏壇周りを整理し、荘厳な雰囲気を高める効果があります。

サイズ

経机のサイズは、主に尺貫法で表示され、天板の幅を基準に測ります。一般的な大きさとしては、尺二寸（約36cm）から三尺（約90cm）程度のものが多く見られます。仏壇の大きさや設置場所のスペースに合わせて、適切なサイズの経机を選ぶことが大切です。

関連事項

* 八脚台

神道において、経机に相当するものとして八脚台（はっきゃくだい）があります。八脚台は、片側に4本ずつ、合計8本の脚があることからこの名で呼ばれています。神事の際に神饌（しんせん）などを供える台として用いられます。

経机は、仏教における信仰のシンボルであり、読経や供養を行う上で欠かせない仏具です。その種類や機能を知ることで、より深く仏教文化に触れることができるでしょう。

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