統一主体国民会議第一期代議員選挙

統一主体国民会議第一期代議員選挙

1972年12月に実施された統一主体国民会議第一期代議員選挙は、韓国の第四共和国憲法に基づき、国民会議の代議員を選出するために行われました。この選挙は、国家の政治構造に大きな影響を及ぼしました。

概要

この選挙は、1972年11月21日に実施された改正憲法に関する国民投票の結果、支持を得た新たな憲法のもとで行われました。国民投票では91.5％という高い賛成率を記録し、新憲法が承認されたことが背景にあります。選挙は、全国を1630の選挙区に分け、代議員は1区あたり最大5名を選出する形で進められ、最終的に2,359名の代議員が選ばれました。

候補者は官憲により厳格に管理されており、野党系候補者が立候補することはほとんど不可能でした。したがって、選挙は実質的に与党系候補者が独占する形となり、候補者自身による選挙運動は禁止され、公的な場での演説のみが許可されました。これにより、選挙は公営制によるものでありながら、実質的な自由選挙の原則が著しく損なわれた状況で運営されました。

代議員選挙の詳細

代議員選挙は、1972年11月25日に公布された「統一主体国民会議代議員選挙法」に基づいて実施されました。以下はその基本データです。

• - 被選挙権: 30歳以上の大韓民国国民
• - 立候補要件: 選挙区内で住民登録をした有権者300名以上の推薦署名が必要
• - 定数: 2,359名
• - 選挙区数: 1,630箇所（その内、206選挙区は無投票当選）
• - 投票方法: 記号式で候補者1名のみに票を投じる方式
• - 投票率: 70.4％

この選挙では、当選者2,359名の中で225名が無投票当選となりました。最終的な有効投票数は9,960,601票にのぼり、選挙の透明性に疑問を持つ声があがりました。

第8代大統領選挙の実施

代議員選挙の約1週間後、1972年12月23日に統一主体国民会議の第一回会議が開かれ、朴正煕が議長に就任しました。この会議後に実施された第8代大統領選挙では、朴正煕が唯一の候補者として立候補し、圧倒的な支持を得て当選しました。彼の当選は、立法および行政機関における権力の集中を意味し、韓国の政治構造に深刻な影響を与えました。

維新政友会の形成

第四共和国憲法では、国会の議席の三分の一を国民会議から選出することが決定されていました。朴正煕大統領は1973年に行われた第9代総選挙後、国会議員候補者の推薦を行い、自らの意向を反映した議会構成を進めました。この時、維新政友会という新たな政治団体が設立され、大統領の意向に従い国会を支配する役割を担うこととなりました。

総じて、統一主体国民会議第一期代議員選挙及びその後の政治的展開は、韓国の民主主義が試練にさらされた歴史的な出来事であり、現在でも多くの議論を呼んでいます。

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