統合末端攻撃統制官

統合末端攻撃統制官（JTAC）

統合末端攻撃統制官、略してJTACは、軍事作戦において前線航空管制業務を遂行するために必要な専門的な資格を持つ兵士です。この資格は、各国の軍隊において重要な役割を果たします。

JTACの役割と機能

JTACは、特に戦闘航空機や無人航空機を使用した作戦において、火力の調整や指揮を行う重要な職務を担っています。彼らは、敵の位置や状況を評価し、適切な航空支援を指示することで兵士の安全を確保し、地上部隊の任務達成をサポートします。これにより、戦闘の効果を最大化し、無駄な損害を防ぐことができます。

資格取得と教育機関

JTACになるためには厳格な訓練を受け、アメリカ合衆国の国防総省から認定を受ける必要があります。具体的には、海兵隊は太平洋遠征戦闘訓練群（EWTGPAC）や大西洋遠征戦闘訓練群（EWTGLANT）で、空軍はネバダ州のネリス空軍基地で、海軍はファロン海軍航空基地の海軍打撃・航空戦闘センターで専門的な教育を受けています。

また、JTACの訓練はアメリカ国内にとどまらず、ドイツのシュパングダーレム空軍基地でも行われ、ここでは高度統合火力センター（JFCOE）を通じてJTAC技術を磨くことができます。

国際的な認定

2006年には、オーストラリア空軍がアメリカ統合戦力軍から外国の空軍として初めてJTACの認定を受けるという重要な出来事がありました。これにより、JTAC資格を持つ軍人は各国の軍隊間での共同作戦において、より一層の連携が期待されるようになりました。

日本においても、2021年10月に陸上自衛隊の初のJTAC有資格者が登場しました。富士学校特科部教官はアメリカのカリフォルニア州にある太平洋機動展開教育群で訓練を受け、JTAC資格を取得しました。さらに、2024年2月には陸自水陸機動団特科大隊火力誘導中隊に所属する隊員が、JTACの教官資格を取得し、分野の専門性を高めています。

結論

統合末端攻撃統制官は、地上部隊と航空支援との連携を図るために欠かせない存在であり、国内外のさまざまな教育機関での訓練が、その役割を支えています。JTACの役割とその重要性は、今後もますます注目されることでしょう。

もう一度検索