継承戦争

継承戦争

継承戦争（英語: War of succession）は、国家における君主権、特に王位や爵位の継承を巡る争いが原因で発生する戦争です。君主の死去や退位後、複数の人物が後継者として名乗りを上げ、それぞれの正当性を主張することで対立が激化し、最終的に武力衝突へと発展します。

継承戦争の大きな特徴は、国内の問題に留まらず、国際的な紛争に発展する可能性が高い点です。多くの場合、それぞれの継承者を支持する外国勢力が介入し、同盟関係を結ぶことで、戦争が拡大していきます。これにより、単なる国内の権力闘争が、国際的な勢力争いの舞台へと変貌することがあります。

以下に、歴史上有名な継承戦争の例をいくつか挙げます。

アンティオキア継承戦争（1201年 - 1219年）
シャンパーニュ継承戦争（1216年 - 1222年）
フランドル継承戦争（1244年 - 1257年）
テューリンゲン継承戦争（1247年 - 1264年）
エウボイア継承戦争（1256年 - 1258年）
リンブルフ継承戦争（1283年 - 1289年）
リューゲン継承戦争（1326年 - 1328年、1342年 - 1354年）
ブルターニュ継承戦争 （1341年 - 1364年）
ブラバント継承戦争（1356年 - 1357年）
第一次カスティーリャ継承戦争（1366年 - 1369年）
リューネブルク継承戦争（1370年 - 1388年）
ゲルデルン継承戦争（1371年 - 1379年）
シュテッティン継承戦争（1464年 - 1472年）
第二次カスティーリャ継承戦争（1475年 - 1479年）
ブルゴーニュ継承戦争（1477年 - 1482年）
ランツフート継承戦争（1503年 - 1505年）
ポルトガル継承戦争（1580年 - 1583年）
ポーランド継承戦争 (1587年 - 1588年)
ユーリヒ＝クレーフェ継承戦争（1609年 - 1614年）
モンフェッラート継承戦争（1613年 - 1617年）
マントヴァ継承戦争（1628年 - 1631年）
ネーデルラント継承戦争（1667年 - 1668年）
プファルツ継承戦争（1688年 - 1697年）、「大同盟戦争」や「アウクスブルク同盟戦争」とも
スペイン継承戦争（1701年 - 1714年）
ポーランド継承戦争（1733年 - 1738年）
オーストリア継承戦争（1740年 - 1748年）
バイエルン継承戦争（1778年 - 1779年）

また、継承に関する争いであっても、一般的に「継承戦争」とは呼ばれない戦争も存在します。

ディアドコイ戦争（紀元前323年 - 紀元前281年）
第四次内乱（811年 - 827年）
イングランド無政府時代（1135年 - 1154年）
百年戦争（1337年 - 1453年）
ビザンティン内戦 (1341年-1347年)
ポルトガル空位時代（1383年 - 1385年）
オスマン空位時代（1402年 - 1413年）
リトアニアの内戦 (1431年-1435年)
薔薇戦争（1455年 - 1487年）
インカ内戦 （1529年 - 1532年）
チュニス反乱（1675年 - 1705年）
ポルトガル内戦（1828年 - 1834年）、「ミゲリスタ戦争」とも
カルリスタ戦争（1833年 - 1840年、1846年 - 1849年、1872年 - 1876年）

架空の継承戦争

ジョージ・R・R・マーティンによるファンタジー小説『氷と炎の歌』シリーズ、およびその映像化作品であるドラマ『ゲーム・オブ・スローンズ』では、ロバート・バラシオン王の死後、複数の王位継承者候補が登場し、反乱や独立勢力の台頭、亡命した旧王朝の残党の活動などが絡み合い、大規模な内乱が発生します。また、同シリーズの前日譚である『炎と血』でも、同様に大規模な継承戦争が描かれています。

継承戦争は、国家の安定を揺るがし、国際関係にも大きな影響を与える紛争であると言えるでしょう。

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