続・王将

映画「続・王将」

概要

「続・王将」は、1963年12月1日に公開された日本映画で、製作は東映によるものです。本作はモノクロ・シネマスコープ形式で、上映時間は100分です。この映画は、北條秀司の戯曲『王将 第二部 続王将』と『王将 第三部 王将終篇』を原作とし、1962年に公開された映画「王将」の続編にあたります。物語は、三國連太郎が演じる坂田三吉の人生の後半を描いており、彼の内面的な葛藤や人間関係が重要なテーマとなっています。

本作では、前作で坂田の娘役を演じた三田佳子が次女君子役として登場し、またライバル役として登場する「関村名人」は、中村伸郎によって演じられます。この名人は、関根名人と木村名人を組み合わせたキャラクターであり、少々の変更が加えられています。坂田の後援者役には、西村晃が配役され、前作の殿山泰司から交代しています。また、坂田会の理事長役である花澤徳衛は、前作と同じキャラクターを演じます。

あらすじ

物語は、前作の内容をナレーションと映像で振り返る形から始まります。坂田三吉は自身の将棋のスタイルから関西名人と名乗り、東京の将棋界との決別を余儀なくされました。時は流れ、昭和11年に東京で実力名人戦が始まることが知らされます。坂田の弟子たちは、その情報にショックを受け、東京の将棋連盟に参加することを決意しますが、残されたのは「万年初段」の森川一人でした。

坂田の後援者である宮田が東京に出向き、「関村名人」との三番勝負を企画します。坂田は「関西名人」の称号を捨て、大竜院で対局しますが、2連敗を喫してしまいます。その後、坂田は将棋の対局の機会が失われると、縁日で大道詰将棋を探し続ける日々が始まります。

坂田の長女、玉枝は父の様子を心配しつつ樺太への引越しを決め、次女君子は、初段の森川に思いを寄せながらも、資産家の天野との結婚を決意します。一方、森川は「赤紙が届いた」と言い残し、姿を消します。

昭和16年には、従軍中の森川が敵の攻撃を受けて右手を負傷します。昭和18年には、六段となった森川が左手で将棋を指す様子が描かれ、「関西のホープ」として関村名人と対局します。その時、君子は夫を失い未亡人となりますが、森川が関村を破った際、坂田は彼を祝福せず、厳しく叱責します。しかし、君子は姉の玉枝の勧めを受けて森川と結婚することを決意します。

戦争の影響が残る数年後、坂田は関村と出会い、名人戦で戦う夢を語りますが、その願いは叶わぬまま、昭和21年に坂田はこの世を去ります。映画の最終部分では、昭和30年に日本将棋連盟が坂田に名人位と王将位を追贈したことが語られます。

スタッフ

この作品の監督は佐藤純彌で、原作は北条秀司、脚本は伊藤大輔が務めました。映画には音楽面や撮影面でも多くのプロフェッショナルが関わり、それぞれが映画の質を高めています。特に音楽は佐藤勝が担当し、主題歌「王将」は西條八十の作詞に基づいて船村徹が作曲し、村田英雄が歌唱しています。

作品の評価

監督の佐藤自身は、本作を「結果的に見事に真面目くさった面白くない映画になってしまった」と評しています。これに対して観客や批評家の評価は分かれるものの、将棋をテーマにした深いドラマが描かれていることは確かです。

同時上映と配信情報

本作と同時上映された映画には、松田定次監督の『血と砂の決斗』があります。また、現在はYouTubeの「YouTubeムービー」で300円で有料配信されているため、興味のある方はぜひご覧ください。

参考文献

この映画に関する詳細な情報は『クロニクル東映 1947-1991』や、佐藤純彌の著書『映画監督 佐藤純彌 映画よ憤怒の河を渉れ』などで確認できます。

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